デートレイプドラッグ「政府に誠実さ欠ける」

2017年12月19日 06:17

 政府は睡眠薬や抗不安薬等を用いたいわゆる「デートレイプドラッグ」による性犯罪・性暴力の被害届が年間何件、全国で提出されているのか。逮捕、起訴されている事案は何件かとの立憲民主党の中谷一馬衆議院議員の質問主意書に対し「具体的範囲が明らかでない」などとして、18日までに「答えるのは困難」と回答した。

 中谷議員は「誠実さに欠ける答弁で残念。あまりにも酷い答弁に唖然とした」と政府の対応を問題視している。

 「具体的範囲が明らかでない」とするなら、今後は範囲を設定するとともに、こうした犯罪が起こらないよう対策を充実させることが強く求められる。

 政府は中谷議員の問いに「性犯罪捜査が適確に行われるよう、捜査方法の工夫改善に努める。また薬物を使用した性犯罪に合わないよう、被害に遭う危険性を広く国民に周知するため、広報、啓発に努める」とした。また「被害者支援のための『ワンストップ支援センター』の設置を促進する」と回答した。

 デートレイプドラッグではジャーナリストの伊藤詩織さんが自身の性暴力被害を訴え、特に社会的な問題として注目を集めている。中谷議員は「2017年10月18日に出版された伊藤詩織氏の著書『Black Box』(文藝春秋)では、性犯罪被害者に〝冷たい〟社会といった切り口で、日本の現状をノンフィクションとして描いており、この問題は社会全体で考えるべき重要な課題だと考える」として、政府に対応を質した。(編集担当:森高龍二)