大飯原発1号、2号、廃炉正式決定 関電

2017年12月23日 06:08

 関西電力は福井県おおい町の大飯原発1号機と2号機の廃炉を22日、正式決定した。出力100キロワット超える大型炉の廃炉は東電福島第一原発を除けば初めて。大飯原発1号機と2号機は2019年に運転期限の40年を迎える。

 関西電力は大飯原発1号機と2号機の廃炉決定を同日、福井県とおおい町に報告したと発表した。

 県や町への説明では「新規制基準に適合する為の安全対策を検討した結果、格納容器を覆う建屋のコンクリート壁を厚くする対策などが必要になるが、壁の補強で格納容器と格納容器を覆う建屋の壁の幅が狭くなることや、建設時には不要だった設備の設置で、元々小さい格納容器内の作業区域がさらに狭隘になる」など、安全性確保の問題を最大の廃炉決定理由に挙げた。

 ただ、安全基準クリアにコストがかかりすぎると判断したことも廃炉を決めた要因と思われる。関西電力は「今後、廃炉に伴う各種手続きを行い、廃止措置を安全最優先に進めていく」とした。

 一方で「運転中の原子力プラントおよび再稼動を目指している原子力プラントについては、引き続き、安全性・信頼性の向上に努め、今後も立地地域をはじめ、社会の皆さまのご理解を賜りながら、安全を最優先に全力で取り組んでいく」としている。(編集担当:森高龍二)