大飯原発再稼働に関する意識調査 “再稼働”賛成の理由と反対の理由

2017年10月16日 06:21

画・大飯原発再稼働に関する意識調査 “再稼働”賛成の理由と反対の理由

関電は、定期点検のため稼働が停止され、現在に至っている大飯原発(福井県おおい町)3号機を来年1月中旬、4号機を同3月中旬に再稼働する計画だ。

 関西電力大飯原発3号機、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、おおい町の中塚寛町長は25日、町議会全員協議会で「理解するとの判断をさせていただく」と述べ、同意を表明した。再稼働には県議会や西川知事の同意も必要であり、県議会は28日にも意見をまとめる予定。関電は3号機を来年1月中旬、4号機を同3月中旬に再稼働する計画だ。

 福島第一原子力発電所の事故以降、定期検査に入った全国の原子力発電所(以下、原発)は、安全性の観点から再稼働できなくなり、2012年5月には、全国で運転中の原発がなくなる原発ゼロの状態となっていた。しかし、大飯原発3号機、4号機は13年7月に相次いで起動、運転を再開。11年3月11日の東日本大震災をきっかけに日本国内の全原発が停止して以降、再稼働した最初の原発となったが、同年9月には定期点検のため稼働が停止され、現在に至っている。

 再稼働後の12年7月には、東京で主催者発表17万人、警視庁発表7万5,000人が参加する過去最大規模の原発に反対する集会が開かれるなど、稀に見る大規模な抗議活動が行われたが、気になるのは現在の地元の人達の反応だ。

 17年9月、NHK放送文化研究所は大飯原発再稼働に関する意識調査(RDD追跡法)単純集計結果を発表。調査は電話法で行われ、福井県おおい町の18歳以上の男女991人から回答を得た。

 まず、再稼働について賛成か反対かを聞いたところ、「賛成」(40.9%)「どちらかといえば賛成」(28.0%)を合わせると68.9%が大飯原発再稼働に賛成している。その理由については「地域経済や雇用の確保に必要だから」(51.8%)が最も多く、「原発の安全対策が進んだから」(12.2%)が3位となっている。逆に反対の理由を聞いてみると「原発の安全性に不安があるから」(26.2%)、「原発から出る核のゴミの問題が解決していないから」(23.5%)と続き、「原発がなくても電力は足りているから」(17.4%)という結果となった。

 原発事故のリスクに対する不安について、「まったく感じていない」(12.7%)が最も少なく、多少なりとも不安を「感じている」が半数を超えた(54.8%)。次に、避難計画について充分な説明を受けたか?という質問でも「受けていないと思う」との回答が55.8%と半数超え。現在の基準では、避難計画の審査は原発の再稼動を認める要件に含まれていない。避難計画の審査も再稼働の要件に加えるべきだと思いますか?という質問には、「加えるべきだ」(66.5%)が最も多かった。再稼働賛成の声が多い一方で、町民は説明責任の重要性を感じており、行政側の説明不足や原発の安全性への疑問から不安を感じている町民が多いことなどが感じられた。

 17年10月13日現在、日本国内における原発はもんじゅ・常陽も含めると全国に59基あり、北海道に3基、東北14基、関東甲信越9基、東海5基、北陸15基、中国2基、四国3基、九州に6基の計57基。その内、現在稼働している原発は九州電力川内原発1・2号機と高浜原発3・4号機の4基となっており、今回の再稼働で6基となる予定だ。 (編集担当:久保田雄城)