トヨタ、WECで鍛えた超弩級スーパースポーツモデル発表、GRブランドで

2018年01月15日 08:23

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東京オートサロンで公開されたTOYOTA GAZOO Racingのコンセプトカー「GRスーパースポーツコンセプト」、WECに参戦しているレーシングマシン「TS050 HYBRID」と基本的に同じ車両だ

 TOYOTA GAZOO Racingは12日、「東京オートサロン2018」のGRブースで、FIA世界耐久選手権(WEC)で鍛え上げられたハイブリッド技術を生かしたコンセプトカー「GRスーパースポーツコンセプト」を世界初公開した。

 WECから飛び出してきた、その車両のシルエットや成り立ちを考えると、昨年メルセデスが発売した「メルセデスAMGプロジェクトONE」を仮想敵としたスポーツカーにもみえる。

 TOYOTA GAZOO Racingは、モータースポーツ活動を通じてクルマを鍛え、人を鍛える「もっといいクルマづくり」に取り組んでおり、世界や国内のレース、ラリーに参戦している。その活動で得た技術や知見を生かし、新たな市販車に開発につなげている。

 先般、GRが継続参戦を発表したWECは、先端ハイブリッドシステムならびにEVシステムの開発を進めるうえで、大変有益であり引き続き重要なプロジェクトと捉えている。既にこの激しい技術競争を通じて得られた燃費向上技術などが市販車にフィードバックされ応用している。

 今回公開した「GRスーパースポーツコンセプト」はまさに、WECに参戦しているレーシングマシン「TS050 HYBRID」とほぼ同じ主要パーツで構成されたコンセプトカーで、まさにロードゴーイング・レーサー。この流麗、かつ斬新なフォルムの中には、実戦で鍛えられた、2.4リッターV6ツインターボエンジンやトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)を搭載する。

 この最高出力1000ps(735kW)を発揮する超弩級のパワーユニットは、高効率のEVシステムと、希薄燃焼エンジンの組み合わせにより、究極のパワーと環境性能を両立した次世代のスーパースポーツカーに相応しいユニットといえる。

 すでにGRブランドは、1.8リッターターボを搭載する車両価格400万円の「ヴィッツGRMN」の商談申込み受付を4月に開始することを決めている。「ヴィッツGRMN」はスポーツカー「GRシリーズ」の頂点に立つ数量限定モデルで、世界一過酷と言われるドイツ・ニュルブルクリンクでのテスト走行や、全日本ラリーに参戦しているヴィッツからの技術的フィードバックを盛り込んで開発したホットハッチだ。(編集担当:吉田恒)