2017年(暦年)の国内新車販売が2年ぶりに500万台を超えた。2015年春の軽自動車税の増税で落ち込んでいた軽自動車販売が回復した結果だ。いっぽう、軽自動車以外の登録車は日産自動車などで発覚した無資格者による検査問題で秋以降、伸びが鈍化した。
登録車と軽自動車を合わせた新車販売台数は2017年に523.41万台となった。2016年は497.02万台だったので、前年比で大幅増の105.3%を記録したことになる。
■「乗用車販売ランキング」2017年1月-12月暦年累計■
1:ホンダN-BOX 218,478台(117.2%)*
2:トヨタ・プリウス 160,912台( 64.8%)
3:ダイハツ・ムーヴ 141,373台(138.0%)*
4:ダイハツ・タント 141,312台( 90.6%)*
5:日産ノート 138,905台(135.8%)
6:日産デイズ 137,514台(130.1%)*
7:トヨタ・アクア 131,615台( 78.2%)
8:トヨタC-HR 117,299台(2519.8%)
9:スズキ・ワゴン R 114,711台(141.4%)*
10:スズキ・スペーシア 104,763台(128.9%)*
11:ホンダ・フリード 104,405台(200.0%)
12:ホンダ・フィット 97,930台( 92.7%)
13:トヨタ・シエンタ 96,847台( 77.0%)
14:ダイハツ・ミラ 95,722台(131.3%)*
15:トヨタ・ヴィッツ 90,248台(125.5%)
16:スズキ・アルト 88,394台( 88.6%)*
17:トヨタ・ヴォクシー 86,722台( 94.5%)
18:日産セレナ 84,433台(114.9%)
19:トヨタ・ルーミー 78,690台(907.1%)
20:トヨタ・カローラ 77,466台( 91.4%)
※カッコ内は前年実績比、「*」は軽自動車
牽引役となったのは184.33万台売った軽自動車だ。2016年は172.54万台だった。なかでも軽自動車を含むすべての乗用車販売でトップのホンダN-BOX(21.84万台)やスズキ・ワゴンR(11.47万台)、ダイハツ・ムーヴ(14.13万台)など新型車販売が全体を底上げし、前年実績比106.8%を記録した。
自動ブレーキをはじめとした安全運転支援装備の充実が、高齢者の交通事故が社会問題になっているなか、販売促進に繋がったようだ。
登録車の販売も好調に推移、暦年販売台数339.08万台で、2016年の324万台から前年比で104.5%となった。
トヨタのデザインコンシャスなSUV「C-HR」がSUVでトップの販売(11.72万台/前年比2519.8%)し、ダイハツからOEM供給を受けているミニミニバンのルーミー(前年比907.1%)などが伸長した。トヨタ単体でも158.70万台(前年比103.8%)となる好調ぶりだった。
トヨタは2018年、国内専用車種で超高級ショーファーカーのセンチュリーや国内専用高級セダンのクラウンなど高額車のモデルチェンジが控えており、その販売力に注目が集まりそうだ。
しかしながら、国内販売好調とはいっても、ピーク時の1990年の777万台と比べると7割弱程度のスケールだ。2017年、日産は「e-Power」で新鮮味を訴求したノートがトヨタHV勢を猛追したものの、資格を持たない従業員が完成車の検査を担っていた問題が判明。秋以降の販売に大きく影響した。(編集担当:吉田恒)