2017年、難民認定者数は20人で減少。認定率さらに低下

2018年03月05日 17:20

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法務省は2月13日、2017年の難民認定者数等の速報値を公表。難民認定申請数は1万9628人、前年差8727人増で過去最多。難民認定者は20人で昨年の28人から減少。在留を認めた者は、人道的配慮45人を含む65人。 

 2月13日、法務省入国管理局は2017年における難民認定者数等についての速報値を公表した。速報値によれば、難民認定申請数は1万9628人で前年に比べ8727人増加し過去最多となった。難民認定申請の処理数は1万1361人で同3168人の増加であった。

 この内、難民認定者は20人で、16年の28人から8人の減少となった。難民認定されなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認められた者は45人で、在留を認められた者の合計は65人である。

 申請者の国籍は82か国からなり、多い順にフィリピンが4895人、ベトナム3116人、スリランカ2226人、インドネシア2038人、ネパール1450人,トルコ1195人,ミャンマー962人,カンボジア772人,インド601人,パキスタン469人などである。

 申請があった1万9628人のうち処理されたものは1万1361人で、前年に比べ3168人増加し、伸び率は39%であった。その内、難民認定されたのは19人で、これに不服申立の結果「理由あり」と決定された1人を加えた合計20人が難民認定された。なお、申請を取り下げた者等1612人がいる。認定者の主な国籍は、エジプト5人,シリア5人,アフガニスタン2人などである。

 人道的な配慮で在留を認められた者45人のうち、本国の情勢等を踏まえて在留を認められた者は、シリア4人、ミャンマー3人、イラク2人、コンゴ民主共和国2人など14人であった。

 日本の難民認定については、その認定率の低さから国際的な批判を受けている。2016年のG7各国の認定率をみると、カナダが67%、米国が62%、ドイツが41%、イギリスが33%、フランスが21%、イタリアが5%、日本が0.3%である。G7の国で日本だけがアジアの国であり単純には比較できないが、単純に数字だけ見れば確かに低すぎる数字と言えよう。ちなみに韓国は1%であり日本より高い。

 日本の認定率が低い理由には諸説あるが、日本の難民認定の審査は偽装難民の排除にウエイトが置かれているのではないかと言われている。逆に言えば、本当に保護すべき者を救済しようという視点がおろそかになってはいないかという批判もある。

 政府も難民認定制度の運用見直しを課題としており、2015年9月に「難民認定制度の運?の見直しの概要」を取りまとめている。しかし、これに対しても国際基準に沿った保護すべき真の難民の判断基準が未だ不明瞭であるという批判も存在する。(編集担当:久保田雄城)