仮設住まいの避難家族 途中で熱湯足して入浴

2012年02月02日 11:00

 小宮山洋子厚生労働大臣は震災被災者らが入居する仮設住宅に設置された大半のお風呂に追い炊き機能がないことから入浴する際に家族が順に入浴しても途中で熱湯を足さなければならないうえ、燃料費が余計に嵩むため毎日入浴するのを控えるなどの不自由を強いられている状況について、1日の衆議院予算委員会で善処策を検討したことを報告したうえで「現況ではお湯を注いで入って頂くしかない」と理解を求めた。その上で「今後、寒冷地仕様の仮設をつくらないといけない」として、今後の仮設住宅建設にはこうした課題を踏まえた仕様にしていく考えを示した。

 斉藤やすのり議員(新党きづな)が取り上げた。斉藤議員は暖房をつけないと(厳寒の被災地では)室内でもマイナス10度になる。それでも倹約のためにつけない例もあると被災者の暮らしぶりの厳しさを指摘。また「仮設住宅の風呂に追い炊き機能がないため、あつあつのお湯を足して入ることになり、それでも最後に入る人はお尻のあたりが冷たいという。燃費が嵩むため、3日に1回の入浴」など、仮設住宅仕様の見直しを求めた。斉藤議員によると、2万2095戸の仮設住宅のうち、追い炊き機能のついた風呂が設置されていたのは782戸だけだったという。

 小宮山厚生労働大臣は「仮設住宅仕様は各県が決めて発注することとなっている」としており、厳寒の地だけに、地元事情に精通する地元自治体が当初から追い炊き機能付を発注すべきだったのではないか。今回の案件で今後改善すべき点が浮き彫りになってきている。(編集担当:福角忠夫)