やはり加計ありきか「首相案件」加計・獣医学部

2018年04月11日 05:29

 加計学園が運営する岡山理科大学に獣医学部を新設する事案が「首相案件」と柳瀬唯夫首相秘書官が発言していたことが、愛媛県が作成したとされる記録文書にあることが朝日新聞などで報じられた。「政府関係者に渡っていた文書を朝日新聞が確認した」とし、記録文書を紹介している。

 面会記録とされる文書は2015年4月に愛媛県や今治市の職員、加計学園幹部が当時の柳瀬首相秘書官らと総理官邸で面会した際のもので、作成日付は2015年4月13日。この面会が行われた日についてNHKは4月2日としている。

 文書内容が事実であれば柳瀬首相秘書官が昨年7月25日の参院予算委員会で「私の記憶する限り、お会いしていない」とした答弁と異なり、会っていたことになる。

 記録文書では柳瀬首相秘書官はこの面会時に「本件は首相案件となっており、内閣府藤原豊次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」「文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず」「獣医師会には直接対決を避けるよう、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかにするとともに、自治体等が熱意を見せて、仕方がないと思わせるようにするのがいい」と発言したとしている。

 愛媛県の加戸守行前知事は昨年7月10日行われた国会での閉会中審査で前川喜平前文部科学事務次官が獣医学部を巡って「行政がゆがめられた」と指摘したのに対して、「ゆがめられた行政が正されたというのが正しい発言ではないか」などと自治体としての獣医学部創設に約20分にわたり熱弁をふるった。

 記録文書が本物で、記されている内容が事実なら、最初から『加計学園ありき』で国家戦略特区制度が利用された疑惑を裏付けるばかりでなく、「安倍総理の案件」として行政が対応してきた可能性が高くなる。改めて国会での真相解明が求められる。(編集担当:森高龍二)