原子力災害対策本部は議事録を作成していなかった問題で意思決定の過程と実績が把握できるよう、資料の整備と公表を遅くとも2月中に行えるよう準備を進めている。ただ災害対策の意思決定に至る議論の中身がどこまで精確に整備できるのか、「歴史の空白を作ってしまった」(山口那津男公明党代表)と断罪されても反論できない失態と言わざるをえない。この問題は31日の衆議院予算委員会でも取り上げられた。町村信孝元外務大臣(自民党)が質問した。
野田佳彦総理は「本部としての議事内容や決定事項は記者発表や報道発表を通して情報発信してきたが、震災直後であり、記録に残すことへの認識が不十分であった。議事録は国民に説明する責務を果たすためにも重要であり、遺憾」と述べた。
その上で「1月24日に枝野幸男原子力災害対策本部副本部長(経済産業大臣)から事務局長(原子力安全保安委員長)に対して関係省庁と協議し、意思決定の過程と実績が把握できるよう資料の整備と公表を遅くとも2月中に行うよう指示が出された」とした。
野田総理は「東日本大震災のために設置された会議などの議事内容の記録についても1月27日の閣僚懇談会で岡田克也副総理から可能な限り迅速な対応をするよう指示が出された」とし、「こうした取り組みを通して私も責任を果たしたい」と議事録作成がなされてこなかったことを国会の場で詫びた。(編集担当:福角忠夫)