先日、厚生労働省は「平成27年市区町村別生命表の概況」を公表した。これは全国の市町村が2015年国勢調査をもとに推計した生命表をとりまとめたもので、全国市町村の平均寿命を集約した代表点では、男性の平均寿命は80.8歳、女性は87.0となった。前回平成22年(2010年)の全国の平均寿命は男性79.6年、女性86.4年であったので、5年間で男性が1.2年、女性が0.6年、平均寿命が長くなったことになる。平均寿命とは全ての年齢階級の死亡状況を集約した0歳の平均余命のことを言う。
市町村別平均寿命を上位のものからみると、男性では神奈川県横浜市青葉区が83.3年とトップで、次いで神奈川県川崎市麻生区が83.1年、東京都世田谷区が82.8年と続く。女性では、沖縄県中頭郡北中城村が89.0年で最も長く、次いで沖縄県中頭郡中城村の88.8年、沖縄県名護市の88.8年の順となっている。
一方短い方からは、男性では大阪府大阪市西成区が73.5年で最も短く、次いで大阪府大阪市浪速区 が77.5年、青森県東津軽郡平内町が77.6年の順となっており、女性では大阪府大阪市西成区が84.4年で最も短く、次いで北海道稚内市の85.1年、福島県西白河郡西郷村が85.2年の順となっている。平均寿命の最も高い市区町村と最も低い市区町村との差は、男性で9.8年、女性が4.6年ということになる。
男女の平均寿命の相関関係を分析すると、男女ともにほぼ全国平均値を中央として分布しており、男性の平均寿命と女性の平均寿命の相関係数は0.70となり比例傾向があると言える。つまり、男性の平均寿命が長い市町村では女性の平均寿命も長い(逆も同様)という傾向が見られる。
平均寿命の男女差は全国平均で6.2年。これを市区町村別にみると、大阪府大阪市西成区が10.9年で最も男女差が大きく、次いで鹿児島県大島郡天城町の8.7年、沖縄県名護市が8.5年の順となっている。一方、最も小さいのは奈良県生駒郡平群町の4.8年で、次いで千葉県千葉市美浜区の4.8年、長野県大町市が5.0年と続く。
市区町村別生命表は、国勢調査による日本人人口と人口動態統計による出生数、死亡数をもとに、2000年から5年ごとに作成されているもので今回が4回目になる。(編集担当:久保田雄城)