安倍総理、進退問われる局面に 加計問題

2018年05月23日 06:50

 国家戦略特区制度を使った獣医学部創設に「加計学園」ありきで進んだ疑惑は、愛媛県が国会に提出した新たな資料で一層深まった。安倍晋三総理の進退が問われる局面になりつつある。示された文書では加計学園からの報告として愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する以前の2015年2月25日に、加計学園理事長の加計孝太郎氏と安倍晋三総理が面談。そこで獣医学部構想を説明していたとなっている。

 事実なら、安倍総理は国会で虚偽答弁を繰り返してきたことになる。安倍総理は国家戦略特区の今治市の事業者が加計学園であることを知ったのは、2017年1月20日と国会で強弁していた。

 この文書を受け、立憲民主党や国民党、無所属、共産、自由、社民の5党1会派は幹事長・書記局長会談を22日開き、愛媛県から公文書として国会に提出されたことから、整合性のとれないことへの反証責任は政府・与党にある、との認識で一致。

 立憲民主党の辻元清美国対委員長は自民党の森山国対委員長に対し、柳瀬唯夫元総理秘書官と加計理事長の証人喚問、中村時広愛媛県知事の参考人招致を速やかに実現するよう要求した。

 野党5党1会派は「獣医学部新設に『はじめに加計ありき』『官邸ありき』で始まったことが新文書で明らか。『首相案件』『官邸の最高レベル』『総理のご意向』という文言の信憑性がより深まった。安倍総理ならびに政府説明と全く異なっており、柳瀬元秘書官の参考人質疑も事実を語っていない。言語道断だ」と怒っている。そのうえで、真相究明へ複数回の集中審議を求めた。(編集担当:森高龍二)