山本大臣、京都府副知事に獣医学部断念を迫る

2018年05月15日 05:58

 日本共産党の田村智子副委員長は14日の参院予算委員会で獣医学部新設を「1校に限る」と告示する時期より2か月も前の2016年10月24日に京都府の山内修一副知事が獣医学部新設要望のため、山本幸三地方創生・規制改革担当大臣(当時)を訪ねた際、山本大臣が『1校しか認められない。難しい状況なので理解してほしい』と断念するよう説得していた可能性があると独自に入手の文書をもとに「加計ありき」で進んだ可能性を追及した。

 田村議員はまず「一校に限る」となった時期や経緯を質した。梶山弘志地方創生担当大臣は「2016年11月9日の諮問会議で特例措置を決定し、文科省と協議の上、11月18日からパブリックコメントを開始。その結果、8割から慎重な意見があり、12月に1校にするよう日本獣医師会から要請のあったことを踏まえ、当時の山本大臣から農水大臣、文科大臣に『1校に限る』旨を告示に明記するよう相談し、22日に了解を取り付け、最終的に2017年1月4日の共同告示に反映させた」と答えた。

 田村議員は「2017年1月4日の共同告示までに、ライバルだった京都産業大学に獣医学部創設を断念するよう話したことはないか」と質問。梶山大臣は「事前にそれはない」とした。

 田村議員は「2016年10月24日、京都府の山内修一副知事が山本大臣を訪ね、獣医学部新設の陳情をしている」としたことに、梶山大臣は「陳情があった」と認めた。そのうえで「山本大臣は京都府からの提案内容を精査するよう事務方に伝えたということだった。地方創生推進事務局で要望を含め必要な検討を行ったものと承知している」とした。

 この答弁に田村議員は「検討した記録は残っているということか」と質すと梶山大臣は「要望書の写しがあり、それをもって面会記録としている」と、記録について信じがたい答弁をした。

 このため、田村議員は「この時の面談時の文書を(独自に)入手した」とし「山本大臣の発言として、『経過もあり1校しか認められない。難しい状況なので理解してほしい』というもの」と指摘。1校に決め、告示したのは2017年1月で「告示の2か月以上前に、京都府に対して1校しか認められないと伝え、断念するように説得していたことになる。山本大臣が当時、京都府を退けようとしたのではないか」と追及。梶山大臣は「そのやり取りは承知していない。面談内容を行政文書として作成していない」などと答えた。
 
 田村議員は「大臣が大臣室で話をしているのに、メモも取らない。内閣府はどんな仕事をしているのか。大臣は公務として大臣室で話をしている。その記録をとっていないなんてあり得ない。大臣秘書官の個人的なフォルダーも含め、調べてほしい」求めた。梶山大臣は「委員長を通じて指示いただければと思う」と答えたが、調べる気持ちのなさがありありだった。国民視点からは、委員長が調べるよう要請するよう求められている。(編集担当:森高龍二)