日本は「産みやすい国に近づいていない」72.7%

2018年06月06日 06:20

画・日本は「産みやすい国に近つ_いていない」72.7%。

公益財団法人1moreBaby応援団が「夫婦の出産意識調査2018」を実施。「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」との回答は72.7%。「子供2人目の壁」は「存在する」と答えた者は既婚者全体の74.3%。

 厚生労働省は1日、2017年の人口動態統計調査の結果を発表した。17年の出生数は94万6060人で初めて100万人を下回り過去最少となった。合計特殊出生率は1.43と前年比0.01ポイントの低下であった。合計特殊出生率は06年に1.26と最低値を記録した以後は上昇傾向で推移しているが直近2年は微減で推移している。出生率には下げ止まり感があるもの、十分な改善傾向が見られるものには至っていない。

 少子化問題に取り組む公益財団法人「1moreBaby応援団」が「夫婦の出産意識調査2018」を実施し、その結果を公表した。この調査は既婚男女2948人に加え20歳~49歳までの未婚の男女約1000人を対象に行われ、今回で6回目となる。

 調査結果によれば「日本は子どもを産みやすい国に近づいているか」と言う質問を既婚者に対して行ったところ、「近づいていないと思う」、「どちらかといえば、近づいていないと思う」の合計は72.7%となり、7割を超える者が日本は子どもを産みにくい国と感じていると回答しており、前年調査の70.0%と比較すると2.7ポイント増加したことになる。

 未婚者に対しても同じ質問をしたところ、78.6%が「産みにくい国」と回答しており、未婚者のほうがより「産みにくい」と感じているようだ。この結果からレポートでは「産みにくいと感じていることが、結婚や出産への障壁の一つとなっていると考えられる」としている。 また、既婚者に対して「日本は子どもを育てやすい国に近づいているか」と質問したところ、「近づいていない」と答えた者が72.7%と昨年の72.6%とほぼ横ばいで高い水準を維持している。

 13年から継続的に既婚者を対象に調査してきた「理想の子どもの数」については、「2人以上」を選んだ人は69.9%で、調査開始以来で初めて7割を切る結果となった。「理想の子どもの数」を「2人」と答えた者の割合は43.9%が最も多かったものの、調査依頼最も低い結果となり、3人以上についても軒並み大幅な減少傾向がみられる。レポートでは「このような出産意向の低下には、前述した日本に対する「産みにくい国」という印象も影響している」としている。

 働き方改革に関連し労働環境についても質問したところ、「日本社会全体の働く環境は良い方向に変わっていない」と回答した者が69.4%にものぼった。未婚者でも68.4%が「変わっていない」と回答しており、レポートでは「働き方改革がまだまだ広がりに欠けている状況が浮き彫りになった」と結論づけている。(編集担当:久保田雄城)