外食市場好調。規模は過去最高。カレンダーや天候が要因

2018年06月10日 14:51

画・飲食店の6割か_ネット予約を実施。管理・運用に課題。

ホットペッパーグルメ外食総研が首都圏・関西圏・東海圏の男女約1万人を対象に「外食市場調査」を実施。外食実施率・頻度・市場規模の全てで過去最高を記録。カレンダーや天候の安定が要因と分析。

 日本の景気は現在、長期的な回復傾向で推移している。消費は弱含みで推移しているというものの外食産業は好調に市場を拡大しているようだ。

 外食市場に関する調査・研究を行う「ホットペッパーグルメ外食総研」が首都圏・関西圏・東海圏の男女約1万人を対象とした「外食市場調査(2018年3月)」の結果を公表した。

 調査結果によれば、18年3月の外食市場規模は東名阪3圏域計で3757億円、前年同月比では392億円の増加となり、10カ月連続で前年同月超えて外食実施率、市場規模では3月分としては過去最高を記録した。

 外食を実施した者の割合である「外食実施率」、その1月当たり回数である「頻度」、これらに外食単価を乗じた「市場規模」の3指標の前年比伸び幅は調査開始以来最大となっており、中でも外食実施率の78.4%は前年比2.5ポイントの増加で、3月としては過去最高の水準となった。

 外食頻度は4.37回/月で前年比0.24回の増加、外食単価は2654円で前年比61円の増加となっている。この増加要因として、前年と比べ土曜日が1日多くなったカレンダー要因や天候の安定、企業の期末宴会ニーズや花見客需要の増大などが調査結果では示唆されている。

 業態別にみると、主要16業態中15業態が前年比プラスとなっており、うち12業態では延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスという結果になっている。最も高い伸びを示したのは「和食料理店」で、市場規模が前年比76億円の増加、延べ回数では139万回の増加、単価では151円の増加となっており、次いで「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」の市場規模が前年比63億円の増加で13カ月連続のプラス、延べ回数では144万回の増加、単価では133円の増加となっている。

 地域別に見ると、市場規模で首都圏が2320億円と最も多く、前年比は262億円のプラスとなっており、次いで関西圏の987億円で前年比96億円のプラス、東海圏が450億円で前年比35億円の増加の順になっている。

 外食実施率では、東海圏が79.1%と最も高く、前年比は1.1ポイントの増加、次いで首都圏が78.6%で前年比が3.3ポイントの増加、最後に関西圏の77.6%で1.7ポイントの増加と続く。

 消費弱含みの中、外食産業は好調であるが、既に人手不足の深刻化による労務倒産のケースも増えてきている。労働力不足が産業の成長に水を差すことがないよう適切な対応を期待する。(編集担当:久保田雄城)