「総理との間で獣医学部の話は一切ない」加計氏

2018年06月20日 07:39

 国家戦略特区制度を利用した獣医学部創設が入り口から「加計学園ありき」ではなかったか、の疑念に対し、加計学園の加計孝太郎理事長が19日、約25分の記者会見で「(安倍晋三総理との間で)獣医学部の話は一切ない」と明言した。

 また2015年2月25日の安倍総理との面会について「3年も前のことで記憶にもないし、記録にもなかった」と述べ「電話やメールで連絡をとったこともない」と語った。

 これだけの疑惑騒動になっていることについてはどうかと問われ「総理と仲が良かったので、このような騒動になったのだと思っている。申し訳ない」と述べた。

 加えて愛媛県や今治市への虚偽報告については「事務局長が勝手にやった。本人(事務局長)が、こと(獣医学部開設)を前に進めるために申し上げた、と聞いている。指示などはしていない。申し訳なかった」とも述べた。

 国会招致があればどう対応するか、と問われ「それは私が決めることではないのでお待ちしております」と語った。また今後、この問題で記者会見する予定があるかでは「検討する」と述べた。

 加計氏は会見冒頭に「感染症対策や獣医師の育成など地元に貢献できる大学づくりをしていくため、教育と研究に真摯に取り組んでいく」とも強調した。

 なお加計氏は愛媛県などに虚偽報告した渡辺良人事務局長を月給10%減給(6か月)の処分とし、自らは責任者として給与の10%(12か月)を自主返納するとした。

 野党は今回の加計氏の会見を受けて、加計氏の証人喚問を改めて求める考えだ。日本共産党の志位和夫委員長は「(加計学園が)事を前に進めるために総理との架空の会談を作り上げたという言い分が真実なら、『減給』でなく、『認可取り消し』を申し出なければならないような大問題になる。あまりに軽い処分内容が、この会見の虚偽を証明している。いよいよ加計氏の証人喚問が必要」とツイッターで発信した。(編集担当:森高龍二)