安倍晋三総理は14日の国家戦略特区諮問会議で、改めて「国家戦略特区は岩盤規制改革の突破口だ」と強調。特区会議は29年度国家戦略特区評価で加計学園岡山理科大獣医学部新設に「52年ぶりの獣医学部新設であり、新設入学定員140名に志願者数2274名(推薦等を含む計)」だったとし「獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応し、先端ライフサイエンス研究の推進や地域での感染症に係る水際対策の強化に寄与することが期待される」との評価をつけた
一方、八田達夫氏ら5人の民間議員から「国家戦略特区法プロセスにおける重大な瑕疵について、手続のやり直しのほか、再発防止のための方策が講じられつつあるが、早急に解決を図る必要がある」との意見も提起された。
このほか、この日の会議では安倍総理は「改革の成果を戦略的に全国展開につなげるため、特定メニューに限って活用を認める『バーチャル特区』についても検討を進めるよう」に指示した。
安倍総理は「規制改革はアベノミクスのメインエンジンだ」とし「政府一丸となって取り組む考えだ。関係大臣は様々な提案に対し、できない理由を詰めるのではなく、どうすれば実現するのかの観点で積極的に取り組んでいただきたい」と実現への視点で考えるよう求めた。
『バーチャル特区』は地域の枠を超えて取り組もうとするもので、この日は民間議員から農業外国人(必要な知識・技能を有する農業外国人材を適正な管理体制のもとで受け入れる)など、特区以外でも活用したいニーズにこたえる『地方創生型バーチャル特区』やデジタルマネーでの給与支払など実施地域が自治体の範囲を超えるケースに対応する『近未来技術型バーチャル特区』が提案された。(編集担当:森高龍二)