加計への補助金増額、背景に総理秘書官の発言?

2018年06月28日 06:36

 獣医学部新設をめぐる国家戦略特区制度で「入り口から加計学園ありき」ではなかったのか、巨額の補助金増額の背景にも当時の安倍総理秘書官の関与が指摘された。

 27日の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長は「総理の腹心の友が経営する学園が『事(獣医学部新設)を前に進める』ために総理の名を使い、総理秘書官も関与して、巨額の補助金をかすめ取っていた」と鋭く追及した。

 安倍晋三総理は「愛媛県、今治市の補助金は愛媛県、今治市が主体的に決めるもので、私の預かり知らないところだ」と自身はまったくかかわりのないことだと反論した。

 志位氏は愛媛県文書をとりあげ、加計学園と今治市との2015年3月15日の協議で、今治市は「加計学園への支援は50億円の支援と用地の無償提供が限界。県としても厳しいとの話を受けている」と言っていたが、同年4月2日に県と市の担当者が柳瀬唯夫総理秘書官と首相官邸で面会し、柳瀬氏から『自治体がやらされモードでなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件』と言われた」。

 そのことがあって、「当初(補助は市と県合わせ)50億円が限界といっていたものが、今治市の補助金は62億円になった。厳しいとされてきた愛媛県は31億円の補助金を出すことになった」と指摘。

 志位氏は今治市の市長が補助金増額を議会に説明した際「今治市の心意気を示すものだ」と説明していたと総理秘書官の発言の影響をあげた。

 これに安倍総理は「愛媛県、今治市の補助金は愛媛県、今治市が主体的に判断するもので、私の預かり知らないところだ」と答えた。

 志位氏は「(安倍総理は)関係ないではすまない。加計学園は『ことを前に進めるために』総理の名前を使ったといい、総理秘書官が『死ぬほど実現したいとの意識を持て』というなど、関与し、その後に補助金が50億円から93億円に膨れ上がった。これは否定できない事実だ」と増額の背景を指摘した。

 安倍総理は「私が愛媛県や今治市に補助金をせよ(出せ)と言ったわけではない。当時の柳瀬総理秘書官が補助金を付すことによって地元の意思を示せと言ったわけでもない」と反論。「未来を見据えて補助金を出すことにしたと推測している」と述べて、それ以上の答弁はなかった。

 志位氏は「総理の名を使って税金が食い物にされることは、民主主義国家において絶対に許されない」と反論し、改めて加計理事長の国会招致を強く求めた。議論が進めば進むほど総理周辺の関与が疑われる状況で、真相解明に加計氏の国会招致は避けられず、政府・自民・公明が国民の疑念に本気で答える姿勢があるのかがて問われることになりそうだ。(編集担当:森高龍二)