次世代の貨幣として期待されている仮想通貨は緩やかながらも普及率は上昇しているようである。今年初め大手カフェチェーンが仮想通貨を支払い手段として認めることについて検討を始めたということがニュースになったが、一般消費者が安心して利用できる決済手段とするにはいまだ様々な課題をクリアする必要があり、一般に広く普及するには今後相当の時間が必要なようだ。現段階での仮想通貨の普及は資産形成あるいは投資手段としてというのが一般的であろう。
仮想通貨サポートセンターが、今年4月から6月に開催された仮想通貨のセミナーの参加者163人を対象に「仮想通貨に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。この調査の結果によれば、仮想通貨の保有率については、「持っている」と答えた者が60%で、セミナー参加者の半数以上が既にいくらかの仮想通貨を保有しているということになる。
保有金額の内訳を見ると、「10万円以下」が19%で最も多く、「50万円以下」が17%、「100万円以下」が8%、「500万円以下」が8%と500万円以下までの合計で52%と半数を超えている。以下、「1000万円以下」が6%、「5000万円以下」が1%、「1億円以下」が1%となっており、「保有無し」は40%である。
セミナー参加者を都道府県別に見ると、東京都が56%で最も多く、神奈川県が18%、埼玉県が15%、千葉県が11%となっており、順位は人口の順位と同じであるが、人口比で見ると東京都が際だって高くなっている。
「年代別」に参加者の内訳を見てみると、50代が31%と最も多く、60代が13%、70代が4%、80代は1%と、50代以降の中高年・シニア世代で49%に達している。ちなみに、20代は11%、30代が17%、40代が23%で、40代と50代の合計で54%と過半数を超えている。
50代以上の者の仮想通貨保有率を見ると、61%の者が仮想通貨を既に所有しており、50万円以上の保有者は44%に達する。保有金額の内訳を見ると、「10万円まで」が16%で最も多く、「50万円まで」が12%、「100万円まで」が11%、「500万円まで」が13%、「1000万円まで」が7%、「5000万円まで」が2%、「1億円まで」は0%、「保有無し」は39%となっている。
このレポートでは「仮想通貨は言語やITリテラシーの高さなど、始めるには困難なイメージが多く、若い世代から徐々に浸透してきたが、シニア世代からの関心も増加の一途を辿りそうだ」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)