11日、総務省は2018年1月1日現在の推計人口データを公表した。これによれば、日本人全体の中の生産年齢人口の割合は前年比0.37%減少し、外国人も含めたトータルでは約53万人の減少となっている。
生産年齢人口の減少は就業人口の減少にもつながり日本経済の稼働率を低下させ成長率を低下させる要因となる。それは政府財政の悪化や社会保障制度の維持に深刻な問題をもたらす。これに対し政府は働き方改革などの労働市場改革を行い、女性や高齢者などより多くの者に就労のチャンスを広げようと努力している。
13日、総務省が2017年の就業構造基本調査の集計結果を発表している。これを見ると、15歳以上の者のうち有業者は6621万3千人で、無業者は4476万4千人となっている。これを前回の12年調査の結果と比べると、有業者は179万2千人増加し、無業者は163万1千人減少したことになる。
男女別に有業率をみると、男性が69.2%、女性では50.7%となっており、5年前の前回調査と比べ男性は0.4ポイント上昇し、女性では2.5ポイントの上昇となっている。年齢階級別、男女別に詳細をみると、前回調査に比べ男性では「60~64歳」の7.2%増加、「65~69歳」の7.3%増加と高齢者で大きな上昇がみられ、一方女性では「60~64歳」での7.8%や「25~44歳」までの6%前後の増加など全ての年齢階級で大幅な上昇がみられる。
育児中の者の有業率についてみると、15歳以上で育児をしている者は1112万人で、うち有業者は881万1千人となっている。男女別に育児中の者の有業率についてみると、男性は98.9%、女性は64.2%となっている。年齢階級別に詳細を見ると、男性では「30~34歳」と「40~44歳」がともに99.1%で最も高くなっており、次いで「35~39 歳」の99.0%と続く。男性では全ての年齢階級で90%を超えている。
一方、女性では「45歳以上」が70.9%と最も高くなっており、次いで「40~44歳」の68.9%、「35~39歳」が64.1%と続く。前回調査と比較すると「40~44歳」で前回の56.7%から今回の68.9%へ12.2ポイント増加しているなど全ての年齢階級で10ポイント程度の上昇となっている。
この調査結果のみでは政府の取り組みの成果か否かは不明であるが、この5年間で高齢層と女性、特に育児中の女性で有業率が高まったことは確かだ。(編集担当:久保田雄城)