不当差別の選抜「断じて認められない」文科相

2018年08月04日 11:03

 東京医科大学が入試の際、女子受験者の点数を一律減点するなどしていた問題について、林芳正文科大臣は3日の記者会見で「女子を不当に差別した入学選抜が行われるようなことは断じて認められない」と非難した。

 また「ほかの大学で女子の点数を一律減点するような措置をしている大学は文科省としては把握していないが、まず、東京医科大学に入試プロセス、そしてそれが適正に行われていたかを調査し、早期に報告するよう求めているので、その報告を待って必要な対応を検討する考えだ」とした。

 一方、女子定員を予め決め、公示して行うことについては「適切な目的があり、募集要項などで明示するなど、必要な周知がされておれば性別ごとに定員を設けることは、必ずしも全面的に否定されるものではない」とした。

 林大臣は「募集要項にも示されず、適切な目的もなく、不当に女子が差別されるような入学選抜があるとすれば、文科省として認められない」と語った。

 野田聖子総務大臣は同日の記者会見で「一般的に女子を不当に差別する入学者選抜を行うことは絶対に認められない」と東京医科大学の不当な選抜を非難した。

 野田大臣は「報道では女性医師が結婚や出産で離職するおそれがあることが関係しているのではないかと言われているが、むしろ女性の医師たちが継続して働きやすい環境を整備することが重要と考える」と指摘。

 そのうえで「(総務大臣として)そういうふうに取り組んできているつもりだ」と述べた。野田大臣は「入り口の段階で女性の割合を抑制しようという考え方は女性活躍を推進する観点からも非常に残念。女性医師が働き続け、能力を発揮しやすい環境整備に向けた支援などをしっかり推進していきたいと改めて考えている」と強調した。

 東京医科大学の校是は「正義・友愛・奉仕」だ。大学事態が校是に反する行為を2010年ころから8年以上にわたり裏で行ってきたことになる。受験する女子に対して「正義」も「思いやりのこころ」も、「不正を許さない教養」もなかったようだ。立て直しには関係者の一掃を前提にしなければならないだろう。(編集担当:森高龍二)