企業業績、高い伸びを維持。利益、設備投資2桁の高い伸び。製造業が牽引

2018年09月11日 06:50

画・企業業績、高い伸びを維持。利益、設備投資2桁の高い伸び。製造業が牽引。

財務省が四半期別法人企業統計調査(4~6月期)を公表。当期業績は、売上高が前年比5.1%の増加、経常利益が17.9%、設備投資が12.8%と高い伸びを維持。生産機械等の輸出関連製造業が引き続き好調。

 8月末の月例経済報告では輸出の足踏みを指摘しつつも「緩やかな回復」が持続していると判断している。企業業績からも2018年も産業活動は引き続き上昇傾向で推移していることが裏付けられる。

 3日、財務省は4~6月期の法人企業統計調査の結果を公表した。調査結果によれば、金融業、保険業を除く全産業の売上高は前年同期比で5.1%、経常利益が同17.9%、設備投資は12.8%と高い伸びを示している。

 産業別に見ると、売上高では電気機械が寄与し製造業が6.7%、非製造業が4.5%、経常利益では情報通信機械が寄与し製造業が27.5%、非製造業が12.4%、設備投資では情報通信機械が寄与し19.8%、非製造業が9.2%となっており、製造業で大幅な上昇が見られる。

 時系列を見ると、売上高と経常利益は全産業としては横ばいの伸び率だが、設備投資では前年2017年同期の1.5%から今回の12.8%と大きく加速し、特に製造業では前年同期が7.6%の減少であったのに対して今回は19.8%の増加と大きく加速しており、製造業の設備投資が景況を強く牽引していることが分かる。

 業種別に売上高の前年同期の増加率を見ると、電気機械が21.9%と最も高く、次いで石油・石炭の19.4%、生産用機械の18.3%、はん用機械が14.2%となっている。経常利益では情報通信機械の360.0%、石油・石炭の243.7%、生産用機械の41.1%、電気機械の23.6%、業務用機械の22.5%などが大きな伸びを示している。設備投資では、石油・石炭が155.3%で最も高く、次いで情報通信機械の66.1%、生産用機械の64.9%、はん用機械の34.6%などが高くなっている。

 石油・石炭については原油価格の高騰が影響しているかもしれない。情報通信機械、電気機械、生産用機械などは輸出向けとも考えられ、やはり世界経済の回復基調が業績好調の背景として考えられる。

 金融業・保険業についてみると、経常利益について業種全体としては0.9%のわずかな増加であるが、銀行業については0.5%の減益となっている。一方、貸金業およびクレジットカード業等の非預金信用機関からなる貸金業等では38.8%の大幅な増益となっており、また生命保険業では12.7%の増益、損害保険業では9.2%の減益とバラ付きが見られる。

 夏頃より輸出の足踏みが指摘されるようになったものの、代って消費の持ち直しが指摘されており、しばらくは企業業績の好調は続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)