李下に冠を正さず、胸に刻み政権運営する 総理

2018年09月15日 09:37

 安倍晋三総理は14日の日本記者クラブ主催の自民党総裁選挙討論会で、記者団から、森友学園問題、加計学園疑惑を契機に内閣支持率が急降下し、今少し持ち直したものの、不支持最大の要因は「総理を信頼できない」という深刻な問題だ。その要因分析とどのように対応するのかを問われた。

 安倍総理は「行政をめぐる様々な問題が起こり行政に対する信頼を揺るがす事態になったことは、まさに私の責任だろうと思う。いわゆる森友問題においては(財務省の)決裁文書の改ざんが行われたということはあってはならないことだ。(文書に記された情報は)国民共有の財産であり、二度と、こうしたことはあってはならない」とした。

 そのための方として「コンプライアンス意識をしっかり高めていく。また新たなガイドラインを徹底していく。独立公文書監理官が各府省の文書管理を徹底していくことで責任を果たしていきたい」とした。

 また、決裁文書では「約4000ページの決裁文書や交渉記録が公表されたが、私の指示や私の妻が関与したということは一切でていないということは申し上げておきたい」とこれまでの国会答弁を繰り返した。

 また安倍総理は加計学園が運営する岡山理科大学への獣医学部新設を巡る国家戦略特区での審議過程の不透明さなどについても「(学園の理事長が)私の友人であるということで様々な批判があったが、プロセスにおいて一点の曇りもないということは、民間議員のみなさんが口を揃えて言っているし、議事録でも、明らかだ」とした。

 疑惑や疑念に対して全面否定したうえで「(モリカケ問題で)私の妻や私の友人がかかわってきたことなので、国民の皆様が疑惑の気持ちを持たれるのは当然のことなのだろう。李下に冠を正さずとの言葉をしっかり胸に刻んで、今後、慎重に、謙虚に、丁寧に政権運営に当たっていきたいと思っている」と述べた。また、森友・加計問題で「国民に十分ご理解いただいていないことも理解している」と(編集担当:森高龍二)