MicroStrategyが「グローバルエンタープライズアナリティクス調査2018」の結果を発表。最高データ責任者(CDO)の役割の重要性は増している。クラウド、ビッグデータ、AI分析が今後5年間の最重要課題。
既にAIの時代は始まっている。現在は企業・組織が膨大なデータリソースをどのように組織化して行くかを競い、いち早くマーケットでの競争優位を確保しようとしている状況だ。ITとはそもそもシミュレーションでありAI(学習する機械)のことだ。インターネットの普及は企業に膨大なデータリソースを蓄積させた。今後はそのリソースをどのように構造化し、組織化して企業戦略に結びつけて行くかが企業の優位性を決めることになる。
14日、アメリカに本社を置くグローバル・プロバイダーであるマイクロストラテジー・ジャパンが世界500社の専門家を対象にして実施された「グローバルエンタープライズアナリティクス調査2018」のレポートを公表した。
レポートによれば専門家達の90%が、組織におけるデジタル変革において最重要となるものはデータ管理とその分析であると回答しており、データおよびその分析への投資を今後5年間にわたり加速する予定であると答えている。
競争優位を勝ち取るためには何より多くの有効なデータが必要であり、そのデータはコアオペレーションの改善のためだけに活用するのではなく顧客把握の改善やビジネスモデルの構築にも活用されるべきものだ。データ分析による効果として挙げられたものの上位は「効率性と生産性の向上」が63%、そして「迅速かつ効果的な意思決定」の57%であった。
約6割に当たる57%の企業が自社にCDO(最高データ責任者)を置いていると回答しており、専門のCDOがデータとその分析を組織内で展開していく中枢を担っている。マネジメントチームの84%がデータ分析にアクセスできる一方で48%の現場従業員はデータにアクセスできず即時の意思決定が妨げられ、結果として収益を下げる要因となっており、この克服が今後の課題だ。
90%の企業がデータと分析への投資を増大させると回答しているが、さらに調査対象の71%は2020年まで関連する投資をも拡大する計画であり、95%超の組織ではデータ分析人材への投資と採用を増加させることを計画している。データのプライバシーとセキュリティに関する懸念も49%存在し、これに対する投資も拡大して行く見込みだ。
今後重要視される投資対象としては、クラウドコンピューティングが24%、ビッグデータは20%、AI・機械学習18%が最大インパクトとされ、次いでIoTが16%、デジタルアイデンティティ管理12%、ブロックチェーン7%、音声・自然言語生成3%と続いている。(編集担当:久保田雄城)