台風シーズンに突入。お宅の壁や塀は大丈夫?

2018年10月08日 16:23

画・深刻化する空き家率 供給過多、高齢化も要因

台風24号の被害は広範囲で、住宅被害は1千棟を超え、およそ31万棟が停電した。

 今年の日本は相次いで自然災害に見舞われる災厄の年となった。とくに西日本は、6月に発生した大阪府北部地震をはじめ、7月の西日本豪雨、そして9月に襲来した大型台風21号と24号と立て続けの被害を受けた。中でも台風24号の被害は広範囲で、住宅被害は1千棟を超え、およそ31万棟が停電した。

 ひとたび災害が起これば、昨日までの幸せな生活が一瞬にして奪い去られてしまうかもしれない。そんなことにならないためには、日ごろから災害に備えておく必要がある。

 とはいえ、地震などの予知は専門家でも難しい。新築ならば、耐震や免震を十分に考えて安心できる業者に頼めばいいが、既存の住宅ではそうはいかない。素人目で耐震性能を判断するのは至難の業だ。

 一方、台風の場合は、ある程度の予測はできる。土砂崩れなどを予測するのは困難だが、雨や強風に関しては、天気予報の情報をチェックしておけばいい。直前でも対策を講じることは可能だ。台風24号の際には、近畿地方の多くの住宅の壁が剥がれ落ちたりもした。また、その剥がれ落ちた壁が風で飛ばされ、近隣に駐車していた自動車を破壊したり、隣家の窓を割ったりと、二次的な被害が拡大した。

 こういった被害を出さないためには、台風の接近情報が入った時点で、庭やベランダの植木鉢や小物類、駐輪している自転車などについても、屋内に片付けるようにしたい。

 普段から、住宅の外装に亀裂などがないか、ガレージの屋根や物置などは傷んでいないか、ネジや釘などがしっかりと固定されているかなどを定期的に点検しておくことも重要だ。問題がありそうなら当然、補強や修理をしておく必要がある。その他にも、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼っておくのもリスクを下げる良い手段だ。

 勿論、新築の住宅購入を検討している場合は、耐震性能や省エネ性能などと共に、風に対する壁や屋根の耐久力にも目を配っておきたい。

 例えば、木造建築業界では「壁-1グランプリ」というイベントを開催している。これは、2体の木造耐力壁の足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、どちらか一方の壁が破壊するまで行う、対戦形式のトーナメント大会だ。また、災害が多い昨今、木造建築技術の発展が望まれており、ハウスメーカーだけでなく、大学や専門学校、プレカット会社など、多彩な顔ぶれが集い、木造建築技術の伝承・革新の場となっている。前回までは「木造耐力壁ジャパンカップ」として20年間続いてきたが、今年から名称が変わり、栄えある第一回の総合優勝者は、強度、施工、コスト、環境負荷、デザインのトータルで優れていると評価された木造住宅メーカーのアキュラホームだった。

 災害は、ある日突然やってくる。とくに台風は、これからシーズンを迎える。9月に大型が過ぎ去ったからといって、もう大きな台風が来ないとは言えない。「転ばぬ先の杖」「備えあれば憂いなし」などの言葉もあるように、防災の意味でも、普段から、住宅のメンテナンスとチェックは心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)