自然災害での損害 賠償責任負うケースも

2018年10月05日 06:10

画・自然災害での損害 賠償責任負うケースも

地震や台風、豪雨などの自然災害によって他の人の家屋や所有物に思わぬ損害を与えてしまったというケースが増えてきている

 地震や台風、豪雨などの自然災害によって自宅や所有物が被害を受けるのは大変なことだが、中には他の人の家屋や所有物に思わぬ損害を与えてしまったというケースが増えてきている。自然災害が原因で損害賠償責任を負うケースはあるのだろうか。

 自然災害の際に起こった被害に関しては、基本的に損害賠償責任を請求できないし、自分も負うことはないと考えられる。例えば隣家の瓦が飛んできて窓ガラスに直撃して割れた、自宅にあった植木鉢が飛んでいき隣人の車にあたってボンネットがへこんだといった被害に関しては誰かの故意、もしくは過失によって生じた損害とは言えないので損害賠償責任は生じないのが一般的だ。

 しかし場合によっては自分が賠償責任を負ってしまうというケースも存在する。それが「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵がある場合」だ。これは民法第717条に記載されている条項で、工作物が本来持っているべき安全性を欠いていた場合に適用される。例えば今年6月に発生した大阪北部地震において、ブロック塀が違法建築だったため女児が下敷きになり死亡した。このケースでは大阪府警が業務上過失致死容疑で捜査を進め、高槻市は女児の保護者に損害賠償として和解金を支払った。これは人命が失われたケースだが、それ以外にも腐食した外壁が崩れて隣人の車を傷つけた、以前から危険が指摘されていた木が倒れて隣家に被害をもたらしたなどのケースでは、自然災害によって生じた被害であっても損害賠償責任を負うことがあるのだ。さらに別の例として、屋外に設置されている工作物については管理者の責任以外に製造者の責任が問われるケースもある。例えばカーポート、ビニールハウスといった工作物は一定の風雨にさらされることを前提に作られるものだ。もし想定される範囲内の自然災害であったにもかからわず工作物の欠陥によって第三者に損害を与えた場合には、製造物責任法に基づいて責任を問われることとなる。

 こうした損害賠償では物証が非常に重要だ。以前から欠陥が指摘されていたことなどを証明されれば損害賠償もされやすくなるだろう。自然災害に備えるとともに、自宅の点検も怠らないようにしたいものだ。(編集担当:久保田雄城)