野菜高騰、例年の2倍になるケースも

2018年01月17日 06:55

画・野菜高騰、例年の2倍になるケースも

野菜の価格高騰が続いている。昨年秋の長雨や台風の影響により、生産地で十分な植え付けと生育ができず出荷量が落ち込んでいるためだ。野菜の価格は一般家庭の家計や飲食店の利益に直結することから、経済への影響が懸念されている。

 野菜は日常生活に欠かせない重要な食材だが、そんな野菜の価格が高騰している。とりわけ価格が高騰しているのが、白菜やキャベツ、レタスなどといった葉物の野菜だ。その要因となっているのが、昨年秋に生産地が長雨や台風などといった自然災害の影響で野菜の生産量が減っているためである。つまり需要に対して供給が少なくなっていることから価格が高騰しているというのが現状だ。なお、こうした野菜の価格高騰については農林水産省の見通しではあくまでも一時的なものという見方を示している。
  
 農林水産省の調べによると、野菜の小売価格については2017年12月の野菜の小売価格と比較しておよそ2倍となっているという。具体的にはレタスで2.4倍、キャベツで2.1倍、白菜で2倍という価格上昇となっている。これらの野菜は、おもに秋に苗や種の植え付けを行うが、この時期に主な生産地が長雨や台風などに見舞われたうえ、低温のため十分に生育することができなかった。そのため、野菜そのものの全体的な出荷量も少なくなっただけでなく、野菜の大きさそのものも小さなものが多くなっている。

 家庭における冬場の食事といえば、おもに鍋物がメインとなる。鍋物がメインとなるこの時期にその主役となる野菜の価格が高騰するというのは一般家庭の家計にとっては大きな打撃といえるだろう。農林水産省では野菜の価格高騰はあくまでも一時的なものという見通しであり、大根やキャベツなどは昨年秋の台風以降に植え付けられたものの出荷が始まるため、価格もいずれ落ち着いてくるという。とはいえ、野菜の価格高騰が続くこの現状には、一般家庭のみならず飲食店にも大きな打撃となっている。 飲食店でも野菜は欠かせないが、野菜の中でも特にキャベツは店によっては食べ放題のメニューとしているところも多く、野菜の価格高騰はそのまま利益に直結する問題だという。

 こうした野菜の価格高騰についてはいずれ落ち着いてくるものの、それでも食材の購入に出費がかさむと、それだけ他の出費を控えるといった可能性が高くなる。そうなると経済全体にも悪影響が及んでくる。野菜の価格高騰の背景には、人知の及ばない自然が相手だけに難しい部分も少なくないが、それでも一刻も早く野菜の価格が落ち着いてくることを願うばかりである。(編集担当:久保田雄城)