経済産業省の調査によれば2017年度末のガソリンスタンド等の給油所の数は前年度と比べ720給油所減の3万747か所となり減少傾向が続いている。人口の減少や自動車の燃費の向上などによってガソリンの需要は年々縮小傾向にあり、これにともない全国のガソリンスタンドの数も23年連続の減少となっている。
先月28日に帝国データバンクがガソリンスタンド経営業者の実態調査の結果を公表している。これは同社が保有する企業データベースに18年9月時点で登録されているガソリンスタンド経営業者8581社について集計・分析したものだ。
同報告書によれば、ガソリンスタンド経営を主業とする企業の17年度の総売上高は8兆8660億3300万円で前年度比7.2%の増加となり3年ぶりに増加に反転した。総売上高について過去10年間の推移を見ると、リーマンショックのあった09年度に前年度比17.5%減の大幅な減少となった後、10から14年度にかけて5年連続で増加し、14年度は10兆2471億円で過去10年間のピークとなったが、15から16年度は2年連続の減少となっていた。
年商規模別に業者数を見ると「1億~10億円未満」が5657社と全体の66.0%を占め最も多く、「1億円未満」が1907社で構成比22.2%と続き両者で88.2%と全体の9割を10億円未満の小規模業者が占めている。
「増収」、「横ばい」、「減収」の構成比を見ると、全体では「増収」が32.8%、「横ばい」が45.8%、「減収」が21.4%となっているが、年商規模別にこれを見ると、年商「50億~100億円未満」で「増収」が90.4%、「100億円以上」で87.4%を占めている一方、「1億~10億円未満」では31.6%、「1億円未満」では15.5%となっており、「減収」が「1億~10億円未満」では22.8%、「1億円未満」で22.1%と高くなっている。年商規模別に見ると明らかに規模格差が存在する。
倒産件数の動向についてみると、08年度に65件とピークになった以降は17年度の30件まで減少傾向で推移しているものの18年度の4-8月分は前年同期比200.0%の15件となっている。
ガソリン価格が高値で推移していることを考慮すると今後価格競争はさらに激化するものと考えられる。その中で小規模給油所の淘汰が加速し地域生活へ大きな影響を与えることも心配される。(編集担当:久保田雄城)