電気自動車普及で高騰必至 大通り沿いマンション

2018年09月09日 13:33

画・電気自動車普及で高騰必至 大通り沿いマンション

これまで大通りや幹線道路に面したマンションは、そうでないマンションに比べてやや価格が低くなっているのが常であった。環境問題への配慮も考慮すると、より早い電気自動車の普及によって幹線道路沿いのマンションの需要が高まる

 これまで大通りや幹線道路に面したマンションは、そうでないマンションに比べてやや価格が低くなっているのが常であった。幹線道路沿いのマンションはすぐに大通りに出られるという利点がある一方で、排気ガスや騒音などの問題があったからだ。しかし電気自動車の普及率が高まるにしたがって、マンション価格に変化が生じつつある。

 幹線道路沿いのマンションに住む際のデメリットは大きく分けて三つある。騒音、排気ガス、振動だ。マンションの前の交通量が増えれば、それだけ騒音や排気ガスは増える。この中でもっとも被害が大きいのが排気ガスだ。特にベランダが大通り側にあれば、排気ガスの影響を直接受けることになる。洗濯物をベランダに干せば排気ガスのにおいが付いたり、すすで汚れてしまったりするだろう。さらに排気ガスから出るすすは洗濯物だけではなくベランダ自体も汚してしまうため、ベランダ全体が黒ずんでしまうということも珍しくない。そのため幹線道路沿いのマンションは敬遠される傾向にあり、価格も低くなっていた。

 しかしそんな状況を電気自動車が変えようとしている。電気自動車は排気ガスをまったく出さない。充電スタンドで充電すれば200キロメートルほど走り続けることができる。ガソリン車と比較してエンジン音に相当するモーター音は格段に少なく、電気自動車の普及によって騒音と排気ガスの両方の問題を解決できるだろう。そうなれば、大通り沿いマンションの価格が高騰するのは必至だ。もともと好条件である物件において、デメリットがなくなれば需要が高まるのは言うまでもないことだ。

 ただし今すぐに幹線道路沿いのマンションの価格高騰が起こるかというと、そうではない。というのは電気自動車の普及率の上昇が緩やかだからだ。実際2015年時点での四輪自動車全体に占める電気自動車の割合はわずか0.12パーセント、35年でも7パーセント程度の予想だ。環境問題への配慮も考慮すると、より早い電気自動車の普及によって幹線道路沿いのマンションの需要が高まることも期待したい。(編集担当:久保田雄城)