政府は6日、一般行政職、外交官、税務職員ら一般職国家公務員約27万5000人の給与を人事院勧告通りに引き上げると発表した。引き上げ幅は月給で0.16%、ボーナスで0.05か月。月給、ボーナスともに5年連続の引き上げとなる。
実施により、月給は平均655円増え、ボーナスは年間支給月数で4.45カ月となり、財務省試算で人件費は約360億円増える。
地方公務員の給与が国家公務員に準じて改定されれば総務省試算で約790億円の人件費増となり、国家、地方合わせた人件費は1150億円の増になる見込み。
官僚依存度が強い自民党政権では人事院勧告に沿わない判断での人件費抑制は厳しいようだ。常に、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置だとして正当化されているが、算定方法に問題があることへの指摘は絶えない。このため、労働基本権の制約を廃止し、人事院勧告制度をなくすことも検討すべきとの意見も民間にはある。
菅義偉官房長官は「人事院勧告制度を尊重し、国の財政状況、経済社会情勢など国政全般との関連を考慮しつつ、国民の理解を得られる適正な結論を出すべく検討を行った結果、勧告どおり実施することを決定した」との談話を発表した。
そのうえで「一人一人が国民全体の奉仕者であることを強く自覚するとともに、改めて厳正な服務規律の確保と公務の適正かつ能率的な運営を図るよう強く期待する」としたが、国会での虚偽答弁、決裁書書き換え、関係書類隠蔽など、森友・加計問題をめぐる一連の対応からは空虚な響きになった。(編集担当:森高龍二)