伊方原発「南海トラフ震源域の真上」と吉川幹事長

2018年09月27日 06:37

 広島高裁が愛媛県にある四国電力伊方原発3号機の運転差し止め仮処分を取り消す決定を25日に行ったことに対し、社会民主党の吉川はじめ幹事長は同日「多くの住民の不安を全く無視し、いのちを危険にさらす再稼働は断じて容認できない」と抗議の談話を発表した。

 さきの仮処分決定では「阿蘇山の破局的噴火の危険性から立地不適」との判断があったが、裁判長が変わり「伊方原発運転期間中に阿蘇山で破局的噴火が発生する可能性が根拠を持って示されているとは認められない。相応の根拠を持って破局的な噴火の危険性が示されない限り、原発の安全性に問題ないとするのがわが国の社会通念と認められる」とし、東京電力福島第一原発事故以来、原発に対する社会通念が大きく変わっているにもかかわらず、悲惨な教訓を無視する発想で判断した。

 吉川幹事長は「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使い、プルサーマル発電を行う伊方原発は、世界に類を見ないほど危険性が高い」と指摘。「伊方原発は南海トラフの震源域の真上に位置し、5キロ沖合には中央構造線の活断層があり、安全対策もきわめて不十分。避難の実効性の確保もなされていない」と重大な問題があるとしている。

 また、伊方原発から50キロ圏にある大分県について「重大事故が起きた場合は深刻な放射能汚染に見舞われる危険性がある」とし「大分県の住民も大分県議会に対し、伊方3号機の稼働に反対する決議を求める約4万人分の署名と請願書を提出している。また運転差し止めの仮処分を大分地裁に申し立てている」と重大事故時に被害が想定される住民らから稼働反対の声があがっていることを提起している。(編集担当:森高龍二)