政府が原発を重要なベースロード電源と位置付けていることを根拠に、重大な原発事故が発生した場合の原子力損害賠償責任について日本経済団体連合会が原発事業者の責任に「上限を設けるよう」求めている。
経団連は「損害賠償責任に上限を設け、それを超える賠償が発生した場合、国が補償することにすべき」と国で負担することを提案している。
経団連は「原子力損害賠償法に国の責務を明記し、国が現状よりも積極的な責任を果たすことを示すべき」とし「原子力を取り巻く課題を乗り越え、わが国として安全性の確保を大前提に『重要なベースロード電源として活用を続けていくうえ』で、国が前面に立って責務を全うする姿勢を示すことの重要性はより一層高まっている」などと訴えている。
そのうえで、損害賠償責任について「原子力事業を民間で実施していく観点から、万一の重大事故の際に原子力事業者が負う責任を一定程度予見可能かつ私企業が対処し得る範囲に制限することが望ましい」とし「国と事業者が連携し、相当因果関係がある原子力損害の完全な填補や原子力設備に対する重層的な安全対策を通じた必要な安全投資の確保等に取り組むことを前提として、原子力事業者の責任に上限を設けるべきである」などと訴えた。原発の存在を認めている限り、同様の要請が続きそうだ。(編集担当:森高龍二)