安倍政権と自民・公明の横暴な国会運営が止まらず。課題や懸念が指摘される中で5日午前に参院を通過した「水道法改正案」は午後には議院運営委員会委員長の職権で衆院本会議での趣旨説明を省略。厚生労働委員会に付託し、一度の審議もしないまま衆院厚生労働委員会で法案を強行採決する暴挙に出、野党が委員長席に詰め寄る中で可決した。
すべての国民にかかわる「水」の問題であるにも関わらず、政府、与党に国民の懸念や不安に対する国会での丁寧な説明姿勢はまったくなく、法案成立ありきとしか思えない状況だ。
しかも、今回の水道法改正案に関しては社会民主党の吉川はじめ幹事長が同日発表した談話で触れているが(1)水メジャー最大のフランス・ヴェオリア社の日本支社でPPPを担当していた社員が内閣府民間資金等活用事業推進室で職員として働いている。
(2)下水道のコンセッション契約を始めた浜松市の特別目的会社・浜松ウォーターシンフォニー株式会社には、未来投資会議の竹中平蔵氏が社外取締役を務めるオリックス株式会社が参画している。
(3)民間企業でPFI事業の参入支援を行ってきた福田隆之氏が「PFI・PPPの推進役」として内閣府大臣補佐官に起用されている、など利害関係に疑義が生じる状況だ。
吉川幹事長は「公共政策が一部の企業や人間の利益のために歪められていることは断じて許されない」と提起している。水道施設を自治体が所有したまま、水道事業の運営権を民間企業に売却する『コンセッション方式』の導入には慎重な議論が必要だ。(編集担当:森高龍二)