トヨタ、直列6気筒+FRスポーツの新型「GRスープラ」、デトロイトショーで初公開

2019年01月17日 06:23

Toyota GR Supra

あの「トヨタ2000GT」を思わせる真紅のスープラのサイドシルエット。デトロイトショーで豊田章男社長自らが登壇した新型スープラの発表。低く、短く、広いグラマラスなプロポーションは、まさに「スープラ」、2019年春、日本デビューの予定だ

 トヨタは、現地時間で1月14日、米デトロイトで開催中の「デトロイトモーターショー」において、2座FRスポーツカーの新型スープラを世界初披露した。

 新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル。GAZOO Racing は、2007年にドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに初めて参戦。現在まで、モータースポーツを通じて人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」に取り組み、蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ込んで開発した『GR Supra』として新たに発表した。新型スープラは独BMWと共同開発し、BMW Z4とプラットフォームなどを共用するモデルだ。

 GAZOOレーシングチームのマスターテストドライバーでもある豊田章男社長は、「ニュルブルクリンクでの運転訓練で長い時間を一緒に過ごしたスープラは、自分にとって『特別な旧友』のような存在です。当時、ニュルブルクリンクで他のメーカーが発売前のプロトタイプカーを走らせている中、私たちは、既に生産を終了した古いスープラでしか走ることができず、とても悔しい想いをいたしました。スープラ復活を待ち望んでいたのは世界中の多くのファンだけでなく、私も『スープラを復活させたい』という想いを密かに持ち続けていました。新型GRスープラは、ニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたクルマです。走る楽しさ以上の経験を提供できるクルマになったと、自信を持ってお伝えします」とショー会場で述べた。

 新型スープラは5代目にあたり、2002年に生産終了してから17年ぶりの復活となります。初代スープラが1978年に誕生して以降、世代を問わず直列6気筒エンジンを積んだFRスポーツ車であったことは共通している。新型でもこの「直6+FR」という2つの条件を継承。加えて今回、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現した。

 完成した新型のボディサイズは全長×全幅×全高4380×1865×1290-1295mm。ホイールベース2470mm。トレッドは前1594-1609mm、後1589-1616mmだ。

 搭載エンジンは2998cc直列6気筒ツインスクロールターボと1998cc直列4気筒ツインスクロールターボの2種。6気筒の最高出力は340ps(250kW)/5000-6500rpm、最大トルクは51.0kg.m(500Nm)/1600-4500rpm。4気筒エンジンのチューンは2種あり、SZ-Rに積む高出力バージョンの最高出力は258ps(190kW)/5000-6500rpm、最大トルクは40.8kg.m(400Nm)/1550-4400rpm。どちらも極めて低い回転域から最大トルクを発生する特徴を持つ。組み合わせるトランスミッションは、いずれも8速スポーツATとなる。

 装着タイヤは前後異径で、3リッターモデルの場合、フロントが255/35R19、リアが275/35R19となる。

 開発を担当したチーフエンジニアの多田哲哉氏は「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」と語った。

 新型スープラ、日本での発売は2019年春頃を予定しているという。(編集担当:吉田恒)