情報化投資が好調。業績好調を背景にWindows10移行が加速

2019年02月13日 06:52

 情報化投資が引き続き好調なようだ。現在の景気回復は世界経済の回復に同調したものとの見方が主流だが、それ以前からも設備投資は堅調で、とくに震災を契機としたセキュリティ強化のためのIT投資が景況を底上げしてきた。IT投資計画一巡やオリンピック特需の一巡、消費税増税を控え、今年は景気失速の懸念も指摘されてきたが、今のところ新たなIT投資需要も発生し、今後もしばらくはIT投資堅調で推移しそうだ。

 5日、GfKジャパンが全国1028事業所を対象にして昨年8月に実施した「情報化投資に関する事業所モニタ調査」の概要を公表した。2017年度の情報化投資実績は「16年度よりも増加した」と回答した事業所が51%と半数を上回り前年比で6%ポイント増加した。レポートでは、売上実績が「前年より増加した」と回答した事業所が6割にのぼり16年度から上昇傾向にあることを理由に「景気回復に伴い企業の業績が堅調で」、「投資拡大の機運が高まった」と分析している。

 投資分野別にはハードウェアが全体の62%を占め最も多く、次いでセキュリティの32%、クラウドコンピューティングは12%となった。セキュリティとクラウド投資を行う事業所の割合は3年連続で拡大している。3月末までの18年度見込みについては、「増加する見込み」と回答した事業所は全体の50%、一方「減少する」は8%にとどまっており、「引き続き高い投資意欲がうかがえる」とレポートは見ている。

 投資対象のハードウェアの中で最も多いのはパソコンで、18年4月~12月の販売実績をみるとパソコンの対企業向け市場規模は前年比26%増の拡大となっている。この背景には20年1月のWindows7サポート終了があり、現在Windows10への買替え需要が高まっていると推測される。18年8月調査時点でのWindows10の導入割合は平均37%であるため、今後しばらくはWindows10移行関連の投資が続きそうだ。

 Windows10の導入理由としては「セキュリティ強化のため」が最も多く導入済み企業の41%を占めている。Windows10の導入に伴い周辺機器やサービスを導入する企業も少なくないと予想される。Windows10導入に伴い購入を検討している周辺機器やサービスを見ると「クラウドサービス」が24%、「タブレット」が20%、「指紋認証リーダー」18%の順となっている。

 今年の消費税増税を契機に消費の低迷などによる景気失速が懸念されているものの、情報化投資ではWindows10導入とこれに伴う派生投資で堅調に推移しそうだ。(編集担当:久保田雄城)