安倍晋三総理は、女性の教育の問題について「G20大阪サミット議長国として、全ての女子が少なくとも12年間の質の高い教育にアクセスできる世界を目指す決意を首脳たちと確認したい」との考えを国際女性会議でのあいさつで強調した。
安倍総理は「世界ではいまだ6000万人を超える子どもたちが小学校に通えていない。そして字を読むことすらできない人たちの3分の2が残念ながら女性であると言われている」と女性に教育を受けるチャンスを与える環境整備の必要をアピールした。
安倍総理は「(イスラム武装勢力による女子教育抑圧を告発しノーベル平和賞を受賞した)マララ・ユスフザイ女史の母国、パキスタンに住む女の子ライバもかつては(教育を受けられない)その一人だった」と事例にあげ「父親から学校に通うことを禁じられていたそうだが、日本が支援したノンフォーマル小学校に内緒で通うことで教育を受けることができ、その成長ぶりを目の当たりにしたお父さんは通学を許すようになり、今やコミュニティ教育委員会メンバーとして地域の他の女性たちの学ぶ機会を増やすために奮闘するようになっているといいます」と紹介。
そのうえで安倍総理は「日本はこれからも途上国における女子教育機会の拡大に大きな役割を果たす」と述べ「2020年までの3年間で少なくとも400万人に上る途上国の女性たちに質の高い教育、人材育成の機会を提供する。世界銀行のレポートによれば、世界中の全ての女の子が12年間の質の高い教育を受けることができれば、女性の生涯収入は合計で最大30兆ドル増加するとされている」と述べ「教育の充実は単なる社会政策ではない」とも語った。(編集担当:森高龍二)