日本経済団体連合会の中西宏明会長は5日開かれた政府の未来投資会議で、改めて「原子力を継続的に活用していくことが不可欠だ」との意見を提言した。中西会長は提言の中で「原子力発電は既設発電所の再稼働、安全性を大前提とした規制の合理化、リプレース・新増設の実現等に取り組むことが必要だ」と新設にまで踏み込んで検討を求めている。
中西会長は「温暖化対策と表裏一体のエネルギー政策、とりわけ 電力は東日本大震災以降、大きな 状況変化に直面しており、投資の停滞に伴う課題が、原子力再稼働の遅れなど4つの危機という形で顕在化しつつある」と提起。
再生可能エネルギーの主力電源化とともに、原子力の継続的活用や送配電投資の促進、電力システム改革を通じた競争の活性化と公益的課題への対応の両立などの必要性をあげた。
中西会長がいう4つの危機は原発再稼働の遅れのほか「化石燃料への過度な依存」「再エネのさらなる拡大に対応する環境整備の遅れ」「海外に比して高い電気料金」をさしている。
安倍晋三総理は「産業界からの提議のあったエネルギー政策の課題については世耕大臣において検討を進めてください」と指示した。(編集担当:森高龍二)