立憲・国民・共産・社会保障・社民の5党会派と市民連合との間で29日、夏の参院選に向けた政策合意が行われた。
合意した政策は13項目あり、筆頭に「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと」をあげた。
また、憲法9条(戦争の放棄)について、集団的自衛権の行使は一部で認められるとした『解釈改憲』をもとに構築した現行の安保法制をはじめ共謀罪法など「立憲主義に反する諸法律の廃止」や「膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること」も盛り込んだ。
沖縄の辺野古、普天間はじめ日米地位協定の問題については「沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること」としている。
原発・エネルギー政策では「福島第一原発事故の検証、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により原発ゼロ実現を目指す」とした。
税制については「10月に予定されている消費税率(10%への)引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」とした。
このほか「地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金1500円を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるよう公営住宅を拡充すること」をあげた。
また「森友学園・加計学園、南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること」でも合意した。
またNHKの報道の在り方に疑問が相次ぐことを踏まえ「国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること」でも合意した。(編集担当:森高龍二)