「自民過半数」の選挙予測報道で待望の終値9500円台に乗せる

2012年12月08日 11:00

今週の振り返り 「新聞の見出しの威力」を改めて知らされる

月が変わって12月も日本の総選挙、韓国の大統領選挙、アメリカの「財政の崖」問題大詰めと、「政治主導」は続く。11月30日のNY市場は3ドル高でほぼ横ばい。その日に発表された経済指標は、アメリカの10月の個人所得は前月比で変わらず、消費支出は0.2%減だが市場予測の範囲内。ユーロ圏の11月の消費者物価指数(CPI)は2.2%上昇で前月比0.3ポイント下落、10月の失業率は11.7%でユーロ導入以来最悪になったが、3日朝方の為替はドル円が82円台半ば、ユーロ円が107円台前半と前週末より円安が進行した。中国の11月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.6で前月比で0.4ポイント上昇と順調に回復をみせている。

週末は北朝鮮のミサイル発射が近いと報じられて自衛隊が迎撃体制を整え、2日に中央道笹子トンネルの天井崩落事故が起こり、3日の東京市場では防衛関連銘柄や建設株、円安を好感した輸出関連株の上昇が予想される一方、「地政学的リスク」の影響で最近の株高を演出してきた海外の機関投資家が日本株の先物買いを手控えることも考えられた。

フタを開けてみると、日経平均は38.19円高の9484.20円と買い先行のスタート。案の定、建設株が大いに買いを集め、防衛関連も石川製作所 <6208> が大きく上昇したが、海外からの先物買いは全く衰えなかった。利益確定売りで上げ幅をいったん圧縮しても、HSBCが発表した中国PMI確報値(速報値を0.1ポイント上方修正)を材料にすぐに上昇に転じるというパターンで、7ヵ月ぶりに9500円の大台に乗せた。しかし後場は9400円台に逆戻りし、後は小幅でもみあっただけで、日経平均終値は12.17円高の9458.18円だった。5日続伸してもローソク足は終値が始値を割り込む黒(陰線)になった。売買代金は1兆円を確保。