トクホ(特定保健用食品)から機能性表示食品へのシフトが起こっているようだ。機能性表示食品の制度は2015年にスタート、トクホは国が責任を持つ許可制であるのに対して機能性表示食品は届出制で多額の投資が必要な臨床試験の実施の必要が無く過去の論文によるレビューを科学的根拠とできる。このため資本力の乏しい中小企業のビジネスチャンスは広がった。
一方、大手は事業者が責任を持つ機能性表示への参入に対して当初は慎重であったものの製品が市場に広がるにつれ、しだいに機能性表示食品の開発・販売・転換を行う企業が増加していった。
富士経済が機能性表示食品や特定保健用食品など保健機能食品の国内市場の動向を調査し、5月30日にその結果を公表している。
レポートによれば2018年の市場規模は、機能性表示食品全体が2420億円で前年比23.7%の大幅な増加となっている。一方、トクホは3781億円で1.8%の減少となった。
機能性表示食品は当初、大手がメーカー責任リスクに配慮し様子見をしていたものの、ヨーグルトやサプリメントなどで新たな機能性訴求が好調だったこともあり、制度活用に積極的な企業が増加し、市場は順調に拡大していった。17年からは既存の大型ブランドを機能性表示食品へシフトさせるなど、市場の拡大はさらに加速している。ドリンク類などでは健康軸による差別化策として機能性表示食品が展開されるなどトクホ飲料からの流入も市場拡大の要因になっている。
機能性表示食品には、H・Bフーズ(健康や美容商品)のほかにも生鮮食品やPB食品(自主企画商品)などもあり、生鮮食品ではみかん、りんご、もやしなどが、PB食品ではパン、無糖茶飲料への適用が活発化しているのも市場拡大の大きな要因だ。
H・Bフーズでは紫外線や日焼け対策を訴求した食品が、美白需要が特に高い訪日中国人を中心にインバウンド需要の獲得なども期待されるなど、ドラッグストアでの取扱いが急速に拡大している。
現在は機能性表示食品への投入が相次ぎ競合は激化している状況で、一方トクホは機能性表示食品への転換や需要流出などにより、今後は市場の縮小が予想されている。(編集担当:久保田雄城)