たった2週間で筋力が30%ダウン? 本当に怖い「運動不足」

2017年01月02日 10:13

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デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが、昨年6月に国際医学誌「ジャーナル・オブ・リハビリテーション・メディシン」に発表した研究報告によると、たった2週間という短い期間でも運動不足が続くと、筋力が若者で28%、高齢者で23%低下することが明らかになったという

 寒い時期になると、運動不足になりがちだ。ついつい家の中に籠りたくなってしまう気持ちは分かるが、運動不足が続くと、それを取り返すのは至難の業。あとで取り返しのつかない事にもなり兼ねない。

 デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが、昨年6月に国際医学誌「ジャーナル・オブ・リハビリテーション・メディシン」に発表した研究報告によると、たった2週間という短い期間でも運動不足が続くと、筋力が若者で28%、高齢者で23%低下することが明らかになったという。また、その失われた筋肉を取り戻すためには、適切な有酸素運動を行っても3倍以上の時間がかかることも分かった。一度失った筋肉を取り戻すことは容易ではないのだ。しかも、たとえ20歳代の若者でも運動をしない期間が長いと、体力は40~50歳代並に低下することも珍しくない。

 寒い時期は、どうしても行動するのが億劫になる。しかし、慢性的な運動不足に陥る原因は、気温だけではない。精神的なものや、運動時、運動後の「疲労感」も大きな阻害要因の一つだろう。疲労が蓄積されると、運動するのが嫌になってくるものだ。運動を継続するためには疲労を回復させることが重要であり、疲労軽減をサポートするための様々な食品や健康食品が求められてる。

 しかし、これまでの疲労回復といえば、栄養ドリンクやエナジードリンク、覚せい作用のあるカフェインなどが主で、疲労を回復するというよりは、一時的に元気になったような気にさせるようなものが多かった。これでは、本質的な疲労回復とはいえない。

 そこで近年、注目されているのが、「イミダゾールジペプチド」と「プロポリス」だ。「イミダゾールジペプチド」は渡り鳥や、マグロやカツオなどの回遊魚の筋肉部分に含まれているアミノ酸結合体で、抗酸化作用に優れているといわれている。実際、渡り鳥などはこの物質を体内で合成しながら飛んでいるから、疲れることなく、長距離の飛行が可能だという。人間への疲労改善効果も臨床で確認されており、大阪大学医学部発のバイオベンチャー企業である日本予防医薬株式会社などが、日本初の疲労感に関する機能性表示食品として「イミダペプチド」ドリンクを販売しているが、同社の調査では、鶏胸肉から抽出したイミダペプチド200mgを含有させた飲料の2週間の摂取で、75%以上のモニターに明かな抗疲労効果が確認されたという。

 一方、「プロポリス」は、これまでにも多くの健康効果が報告されている、ミツバチ由来の自然食品だ。ハチミツとは違い、ミツバチが植物の樹脂や新芽などから作りだす天然物質で、起源となる植物によって有用成分が異なる。

 株式会社山田養蜂場によると、疲労感の軽減に効果が期待できるのはブラジル産プロポリス。同社が倉敷芸術科学大学生命科学部の川上雅之教授と取り組んでいる共同研究によると、ブラジル産プロポリスの飲用により、「きつさ」や「つらさ」の 指標である運動中の運動強度、酸素摂取量、二酸化炭素排出量およびエネルギー消費量が有意に低下したという。ブラジル産プロポリスはこれまでにヒトを対象とした試験において、激しい運動による酸化ストレスの産生を緩和することも報告されている。

 たかが運動不足。しかし、筋力や筋肉量が減ると、それが様々な病のきっかけになったり、老化の原因にもなってしまう。寒いからといって屋内に閉じこもっているのではなく、疲労を上手く改善・回復しながら、適度な運動を心掛けたいものだ。(編集担当:石井絢子)