政府は立憲民主党の中谷一馬衆院議員が年金収入のみの夫婦(夫65歳、妻60歳)が30年暮らすには約2000万円が必要だとした金融庁金融審議会ワーキンググループの報告書に対し、2000万円を貯める必要性や貯蓄方法などを質した質問主意書に対し、政府は「報告書は政府の政策スタンスとも異なり」「正式な報告書として受け取らないことを決定している」などを理由に「報告書を前提にしたお尋ねについて答えることは差し控えたい」と、回答を拒否する答弁を閣議決定した。なんと閣議決定した答弁書には「(報告書を)政策遂行の参考にはしない」とまで明記している。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「答弁拒否=審議拒否を『閣議決定』するとは。前代未聞のあきれた対応だ」と審議会の報告書にまともに向き合わない政府の対応を批判。そのうえで「不都合な事実を隠しても、問題は少しも解決せず、国民の不信は高まるばかりだ」と現実を踏まえた対応をしていくべきだと強く提起している。
19日には党首討論が行われるが、この問題に関しては一貫して「報告書は政府の政策スタンスとも異なる」もので「正式な報告書として受け取っていない」「政策遂行の参考にしない」などを理由に、この報告書を根拠に議論はできない、と安倍総理(自民総裁)は回答を拒否し続けるとみられる。国民への説明責任を果たすと言えるのだろうか。(編集担当:森高龍二)