捕鯨「南極海・南半球では調査含め捕獲しない」

2019年07月02日 07:22

 安倍晋三総理や自民党・二階俊博幹事長のひざ元、山口県や和歌山県で1日、国際捕鯨委員会(IWC)脱退での「商業捕鯨」が始まった。北海道新聞は1日の電子版で商業捕鯨に「英国で反発が広がっている」と伝え「環境団体メンバーら約50人が『恥を知れ』などと書かれたプラカードを掲げ『クジラを殺すな』と声をあげてロンドン中心部から日本大使館前まで行進した」ことなどを報じた。

 商業捕鯨には国内外で賛否の声がある。水産省は「商業捕鯨の対象海域は我が国の領海及び排他的経済水域に限定し、南極海・南半球では調査を含め捕獲はしない」また「科学的根拠に基づく捕獲可能量を算出して捕獲することとしており、推定資源量の1%以下になる」と理解を求めている。

 そのうえで、捕獲可能量から7月1日から12月31日までの商業捕鯨捕獲枠はミンククジラ52頭、ニタリクジラ150頭、イワシクジラ25頭と発表した。

 ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラは山口県下関市を根拠地とする母船式捕鯨業1船団(沖合で数カ月にわたり操業する)。一方、沿岸捕鯨業では和歌山県太地町はじめ北海道網走市、北海道釧路市、青森県八戸市、宮城県石巻市、千葉県南房総市を根拠地として、基地周辺沿岸での日帰り操業となる。捕鯨対象はミンククジラなど。

 水産庁は規定を遵守させる管理方法について「全ての捕鯨業者による日別の捕獲頭数の報告、水産庁監督員の母船や鯨体処理場への派遣、衛星を利用した船舶位置の確認などを通じて厳格に管理する」としている。文言通りの監視、管理ができなければ国内からも商業捕鯨反対の声が高まることは明らか。管理に厳格な対応が求められている。(編集担当:森高龍二)