東北復興前進も避難生活者は5万人超

2019年07月26日 07:12

安倍晋三総理は24日、2020東京オリンピック1年前セレモニーであいさつし「2011年、東日本大震災によって甚大な被害を受け、世界中の皆様から御支援を頂きながら復興に向けて前進してきた。皆様から頂いた御支援に対する、ありがとうのメッセージをお伝えするとともに、未曾有の大災害から復興を成し遂げつつある東北の姿を世界中に発信していきたい」と語った。

 また「大会を通じた人と人との出会いはオリンピックの大きな意義」とし「大会を日本全国の皆様の温かな思いの詰まったものとするためにも、参加する国・地域と地方自治体をつなぐ、ホストタウンを設けて、交流の発展につなげていきたいと考えている」と述べた。

 東日本大震災では東京電力福島第一原発事故により故郷での暮らしを奪われるなど、震災被災による避難者は今も約5万4000人(2018年11月)に上っている。また、福島県が原発事故当時から被ばくの影響を受けやすい18歳以下の子どもたちを対象に実施してきた甲状腺検査で今年3月までに218人もの子どもたちががんやその疑いがあると診断され、東電原発の犠牲になっている。

 今月24日には、患者や家族を支援する「3・11甲状腺がん子ども基金」が県報告に含まれていない子どもたちが「少なくとも17人いる」と発表した。正確な把握の難しさも浮き彫りになり、被害患者はさらに増える可能性がある。(編集担当:森高龍二)