3.11党、党代表声明、原発姿勢違い浮き彫り

2019年03月11日 19:48

 3月11日、東日本大震災から8年を迎え、与野党の政党が党や党代表の声明を発表。被災者支援や復興への取り組みを継続して進めるとした。中でも「原発」政策の方向については立憲民主党や日本共産党は明確に「原発ゼロ」をめざすと声明でも表明したのに対し、自民党(党声明)、公明党(党声明)は原発については事故に触れたのみ。原発をどうするのか、未来への姿勢には触れなかった。

国民民主党(代表声明)も「東電福島第1原発事故を風化させてはなりません。福島県民の皆様の総意に応えるために原発の事故処理、廃炉が進捗するよう、国をあげての取り組みが行われるよう全力を尽くします」とする一方、原発政策について「原発ゼロ」との用語は使っていない。

 立憲民主党(代表声明)は「東京電力福島第一原発の廃炉工程の遅れと廃炉費用の増大、汚染水の流出、風評被害など、福島の再生には今なお困難な課題がある。『子ども被災者支援法』の趣旨に則った健康調査や支援の徹底など住民の不安を取り除く具体的な施策を提案していく」としたうえで、原発については「原発ゼロ基本法を昨年の通常国会に提出した。原発ゼロに向けた様々な取り組みを進めていく」としている。

 日本共産党(代表声明)は「福島県では今も原発事故により4万人を超える人が避難生活を余儀なくされている。避難指示が解除された地域での居住者は住民登録数の23%、小中学校の児童・生徒数は原発事故前の10%。住民の帰還も被災地の復興もすすんでいない」と声明。原発については「国民のみなさんとともに、原発ゼロの日本を実現するために、力をつくす決意」とした。

 社会民主党(党声明)は「東電福島第一原発事故は未だ収束の見通しが全く立っていない。8年経ってもどれだけの量の溶け落ちた核燃料(デブリ)がどんな状態で存在しているのかさえわかっていない。使用済み核燃料の取り出しも大幅に遅れ、100万トンを超える汚染水処理にも目途が立っていない」と深刻な問題だとしたうえで「国と東電の責任を厳しく追及するとともに、安倍政権に対して即刻、脱原発を決断するよう強く求める」とした。(編集担当:森高龍二)