クライアント仮想化市場、ITガバナンス向上が経営課題に貢献6割に、増加傾向

2019年07月29日 07:51

画・クライアント仮想化市場、ITガバナンス向上が経営課題に貢献6割に、増加傾向。

IDC Japanがクライアント仮想化市場のユーザー動向を分析。クライアント仮想化導入済72.7%。4割超が5G環境等次世代のテクノロジーに関心。ITガバナンス向上が経営課題/ビジネス課題で貢献6割。

 Windows7のサポート終了に伴う10への移行とAI・クラウド化をにらんだDX(デジタル・トランスフォーメイション)への支出増加でIT投資は堅調だ。DX化の主流はクラウドを意識した仮想化だが、クラウドをパブリックで行くかプライベートで行くか、オンプレミスで行くか、業種や企業戦略によって選択肢は多様だ。

 いずれにしろオプションの多様化は市場の拡大につながることは間違いないであろう。ベンダー側もコンサルタント機能、サービス機能の強弱が勝敗を決めるようになって行くと考えられる。特に仮想化分野でのサービス機能は重要だ。

 11日、IT専門調査会社のIDC Japanが、クライアント仮想化を導入した企業および導入を検討している企業の経営層、IT管理者、エンドユーザーなど計1100名を対象に国内クライアント仮想化市場の動向について分析した結果を公表した。

 レポートによれば。クライアント仮想化導入済み企業550名の72.7%がアプリ・データ・端末を統合管理するデジタルワークスペースを導入している。さらにインテリジェント化し統合管理の自動化を推し進めるインテリジェントワークスペースを導入済み・計画中の企業は23.4%だ。

 これらの動きはその業務や用途、利用場所などで多様化し拡張傾向で推移しているようだ。中でも「ストレージ仮想化」、「ネットワーク仮想化 SD-WAN」、「GPU仮想化」、「HCI ハイパーコンバージドインフラ」などへの関心度が4割から5割と非常に高くなっており、「企業は、それぞれの業務に適合したワークスペース戦略を検討する時期に来ている」とレポートでは指摘している。

 さらに4割超の企業で「音声による電話会議システムとの連動によるVDI配信」「5G環境でのDesktop as a Service」「アプリケーション単位の防御・自動化とVDIの併用」「マイクロアプリとVDI連携」など次世代テクノロジーに対し関心を示している。

 デジタルワークスペースが持つユーザー企業の経営課題やビジネス課題に対する貢献度については「ガバナンス統治とセキュリティポリシー策定」「動的なIT資産と人材の活用」など経営課題やビジネス課題で貢献しているとの回答が6割を超えて増加傾向だ。

 IDC Japanのシニア・アナリスト渋谷寛氏は「ITサプライヤーとユーザー企業が先進関連テクノロジーをベースにデジタルワークスペースを構想し十分に使いこなすことによって投資対効果、満足度向上につながる」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)