子どもたちに「社会を学ぶ」特別な体験を!「こども霞が関見学デー」 盛況のうちに終了

2019年08月15日 17:35

Anti Plastic Straw

農林水産省の林野庁木材利用課で行われた「木のストロー」を作るワークショップ

 今年の夏休みも残りあとわずか。子どもたちを持つ親の中には、長い休みが終わることにホッとしている人も多いのではないだろうか。

 株式会社イー・ラーニング研究所が20代から50代の子どもを持つ親を対象に実施した「子どもの夏休みに関するアンケート」調査によると、アンケートに回答した計402人の親の半数以上が、子どもの夏休みの過ごし方について、「宿題や自由研究の時間」や「子どもの面倒を見てくれる人がいないこと」などに不安を感じていおり、学童やアフタースクールの必要性を感じているという。

 とはいえ、決して子どもと一緒に過ごす時間を億劫に思っていたり、子どもの教育に無関心というわけでもないらしい。およそ84%の親が、夏休みには子どもたちに旅行やキャンプなど、夏休みならではの特別な体験をさせたいと回答しているのだ。

 では、夏休みならではの特別な体験とは何だろう。一般的に思い浮かぶのは、旅行やキャンプ、海水浴だろう。事実、前述のアンケート結果でも、これらは上位を占めている。

 また、自由研究と絡めたり、子どもたちの社会勉強を目的とした体験も人気だ。

 例えば、社会勉強を目的とした夏休み体験では「こども霞が関見学デー」というものがある。

 毎年、夏休みの期間、小・中学生・幼児等を対象に文部科学省をはじめとした25府省庁等が連携して開催しているもので、今年も 8月7日、8日に実施された。

 当日、各府庁省では、省内見学のほか、子どもたちに広く社会を学んでもらうための様々な催しが行われる。参加者である子どもたちには、各府省庁等の地図とプログラムが記載された「霞が関こども旅券」が配付され、子どもたちはこれを見て、同伴する保護者とともに、興味を持った府庁省を目指して霞が関を自由に歩きまわる。

 今年も各府庁省の特色を活かしたプログラムが多数実施されたが、中でも注目されたのは、農林水産省の林野庁木材利用課で行われた「木のストロー」を作るワークショップだ。これは、日本の森から伐りだしたスギを利用し、カンナ削りの技術を応用して環境にやさしい木のストローを作るというワークショップで、木造注文住宅の株式会社アキュラホームの協力の下で行われた。

 アキュラホームが独自に開発した木のストローは、今年6月に開催されたG20 大阪サミット及び、G20閣僚級会合でも採用されており、近年国際的に注目を集めている海洋プラスチックごみ問題解決の一助となるアイテムとして評価されているものだ。今回、このワークショップに参加した子どもたちも、この木のストロー作りを通して、再生資源でもある木を使用することが、森林保全にも繋がり、減災効果も高いことなども学び、評判も上々だった様子。

 また、文部科学省のプログラムでは、イー・ラーニング研究所のアンケートでも「夏休みに子どもにさせたい習い事」の上位にもあった「プログラミング」を行うものが人気を集めた。簡単なロボットや機器を制御するプログラミング体験は、これからの社会を担う子どもたちにとって、とても有意義な経験となるに違いない。

 他にも、日本の伝統文化に触れるようなものや、珍しい展示など、多種多様なプログラムが、大学や企業、各種団体などの協力を得て催された。残念ながら、今年度は終了してしまったが、もしも来年の夏、子どもたちに何か特別な体験をさせてあげたいと思ったときには、ぜひ「こども霞が関見学デー」を思い出してほしい。(編集担当:藤原伊織)