辺野古への基地建設を巡る技術検討会が今月6日初会合を開いたが、メンバー8人のうち4人が国土交通省、防衛省の関係機関に関わりのある専門家で構成され、スタート時点から客観性が疑われるとの指摘が出ている。2人は現職組だった。建設ありきで理論武装のための検討会だとの批判も出ている。
一方、岩屋毅防衛大臣は軟弱地盤の改良工事については、記者会見で「今年1月に沖縄防衛局で地盤の検討に必要なボーリング調査等の結果を踏まえた大浦湾側の護岸や埋立地等の設計・施工等に関する検討を行った結果、一般的で施工実績が豊富な工法による地盤改良工事を行うことによって、護岸や埋立地等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能と確認されている」と工事ができることは『確認済み』とした。
そのうえで「護岸や埋立地等の設計・施工、維持管理を合理的なものとするため、技術的・専門的見地から客観的に有識者からの提言・助言を得るべく『建設事業に係る技術検討会』を開催することとした。技術検討会は地盤、構造、水工、舗装等の有識者で構成している」と説明した。
岩屋大臣は検討会の透明性について「検討に使うたたき台の資料については沖縄県にもお渡ししていると思うし、オープンなものになる。できるだけデータ、資料についても公表させていただいて議論の中身についても公表させていただいて、透明性をもって検討を進め、丁寧に説明を行い、沖縄県側の理解を得られるよう努力を続けたい。ホームページ、ネット等にもアップされるものになると思う」と透明性を確保する旨を強調した。
一方で、沖縄県の玉城知事が工事を止めての対応を求めたことについては「法に基づいて正当な手続きをもって埋立て承認をいただいていると考えており、事業は一歩ずつ進めさせていただきたい」と埋め立て工事を止める気はない考えを鮮明にした。
沖縄県は軟弱地盤工事では水面下90㍍の軟弱地盤に対し、70㍍までの地盤改良しか計画していないことやジュゴンやウミガメなどへの影響など環境に対する影響を問題視している。また埋め立てに「最大13年」と試算している。政府は約4年と3分の1の工期で予定。(編集担当:森高龍二)