9月21日は世界アルツハイマーデー。今日から始めたい、最新の認知症予防法

2019年09月10日 07:48

画・来たる2025年問題 今から備え必要

9月は世界アルツハイマー月間として、行政や企業、NPO、医療・福祉関係の団体などが毎年、認知症の啓蒙を目的とした様々な活動を行っている。

 9月21日は、国際アルツハイマー病協会(ADI)と世界保健機関(WHO)が制定した「世界アルツハイマーデー」。それに伴い、9月は世界アルツハイマー月間として、行政や企業、NPO、医療・福祉関係の団体などが毎年、認知症の啓蒙を目的とした様々な活動を行っている。

 厚生労働省の推計によると、2025年には日本国内の認知症患者数は65歳以上の高齢者の約20 %にあたる約700万人規模に達すると見込んでいる。 しかも、これは医療機関を受診して認知症と診断された人の数だけだ。認知症予備軍ともいわれる軽度認知障害の人や、症状が出ているにもかかわらず受診していない人なども含めると、実際の患者数はさらに増えるだろう。そして更に、高齢化の進行につれて、認知症の患者数も増え続けていくことは間違いない。認知症は、すでに認知症を患っている患者やその家族だけではなく、日本国民全員の問題なのだ。

 ところで今、意外な生物がアルツハイマーから人類を救う救世主かもしれないと、多くのメディアにも取り上げられて、注目を集めているのをご存じだろうか。

 その意外な生物とは「ミツバチ」だ。正確には、ミツバチが木の芽や蕾、花粉、樹液などを集めてつくる樹脂製混合物の「プロポリス」にアルツハイマーの予防効果がある可能性が示唆されているというのである。

 プロポリスが注目されるようになったのは、昨年、九州大学大学院歯学研究院の武洲准教授らが7年に及ぶ研究の末、「プロポリス」に全身性炎症を低減する効果があることを突き止めたことが発端だ。同研究は養蜂業大手の山田養蜂場の助成を受けて行われていたもので、同社が一般向けに販売しているブラジル産プロポリスのサプリメント「プロポリス300」を被験者に服用させ、プラセボ群と比較する臨床実験を行った結果、プロポリスの服用が全身性炎症の症状を抑え、高齢者の認知機能の低下を防げる可能性が高いことを世界で初めて明らかにした。

 アルツハイマーは、慢性全身性炎症が年齢依存性の脳炎症を誘発することが原因となって、認知機能の低下を引き起こしてしまう症状だ。つまり、この全身性炎症の症状を低減することがアルツハイマーの有効な予防となる。

 もちろん、プロポリスを服用しているだけで認知症を防ぐことができるのかといえば、そうではないだろう。でも、認知症の6割を占めるといわれるアルツハイマー型認知症のリスクはかなりの確率で軽減されるのではないだろうか。これに加え、塩分や糖質を控え、バランスの取れた食事などを心がければ、血管性認知症のリスクも抑えられる。

 ちなみに、山田養蜂場が行った意識調査によると、男性は60代から、女性は40代から「もの忘れ」を自覚し始めるという。もしもそんな自覚があるのなら、予防は少しでも早く始めた方がいい。。 世界アルツハイマーデーをきかっけに考えてみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)