赤ちゃんは寝るのが仕事だ。1歳児で15時間ほど寝ているという。小学生では10~11時間、中高生や20代になると8~9時間の睡眠が必要なようだ。睡眠は意識がなくなるので何もしていない無駄な時間のようにも思えるが、睡眠中に脳内では記憶等の情報整理が行われており、充分な睡眠は健康にとって不可欠だ。睡眠不足が長期にわたるとうつ病や認知症などの疾患にもつながるという説もある。
IT業のC2が自社の開発した睡眠管理アプリを利用する2万3286名を対象に6月の1カ月間「睡眠の統計調査」を実施し、その結果を16日に公表した。集計結果によれば男女全世代の平均睡眠時間は6時間6分で、一般に必要とされる7~8時間よりも1~2時間も短くなっている。
男女別に見ると、男性が6時間7分、女性が6時間6分と女性の方が1分短いだけで男女間に差はない。年代別に見ると男性の「10代」が5時間45分、「20代」が5時間54分。「30代」5時間56分、「40代」6時間00分、「50代」6時間6分、「60代」6時間20分、「70歳以上」が6時間50分(ただし70歳以上はサンプル数が100未満な為、参考として掲載したとのこと)となっている。
一方、女性では「10代」が5時間49分、「20代」6時間08分、「30代」6時間09分、「40代」6時間00分、「50代」5時間57分、「60代」6時間14分、「70歳以上」が6時間29分となっている。女性では「50代」が6時間より少なくなっているのが目立つがその理由については不明だ。
男女ともに若い世代ほど睡眠時間が短くなっており、一般に言われるように「歳をとるほど睡眠時間が短くなる」、あるいは「若いほど長い睡眠が必要だ」ということと矛盾している。最近では夜の10時まで塾通いをしている児童なども増えているようだ。また、スマホやビデオゲームなどついつい夜更かしをしてしまう環境になっているのも事実だ。しかもそれが若い世代ほど顕著に現れている。
睡眠時間が短くても元気な者も少なくないのは事実だ。ナポレオンは1日に3時間しか寝なかったという逸話もあるが、また一方で居眠りの天才であったともされる。居眠りも含めトータルで必要な睡眠時間が確保されていれば良いのかも知れないが、先に述べたように睡眠は精神状態のみでなく生理現象全般を制御している脳の必要な作業である。若い頃の睡眠不足が後々様々な疾患につながらないか心配だ。(編集担当:久保田雄城)