国際芸術祭「愛知トリエンナーレ2019」芸術監督の津田大介さんは文化庁が補助金全額を不交付にする決定をしたことに対し、不交付を撤回するよう求めるキャンペーンをネットで始めた。すでに署名は5万人を超えている。
「文化庁は文化を殺すな」とするキャンペーンでは「作品の取り下げを公人が迫り、それによって公金のあり方が左右されるなど、一連の流れは明白な検閲として非難されるべきもの」と指摘。
また「脅迫を含む電凸をすれば一部の展示が中止され、文化庁が動き、助成金を取りやめるなどということが前例化してしまえば、日本はテロと戦う気がないと全世界に発信するばかりか、文化庁が脅迫に手を貸すというメッセージにもなりかねない」と警鐘を鳴らしている。
加えて「文化庁による今回の暴力的な決定は文化的最低限度の生活を全国民に保障する、憲法と民主主義への脅威にもなりかねない」とも警告する。
文化庁の不交付決定には愛知県知事も裁判を起こし争う構え。大村秀章知事は「一方的に不交付が決定されることには承服できない」と文化庁の対応を強く非難している。裁判で「表現の自由」の保障を問う構えだ。(編集担当:森高龍二)